本記事ではこのような疑問をお持ちの方に向けて、位牌の処分方法について徹底解説していきます。
処分方法ごとに費用相場もまとめていますので、あなたの金銭事情に合わせて適切な方法で処分していただければと思います。
一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(認定者番号 24283)
不用品回収業者にて1年半の現場業務を経験。その後、作業オペレーティングや不用品のリサイクル・貿易業務に従事し、年間500件以上の不用品回収案件に携わる。
2019年4月より、本メディアをはじめとする不用品回収・遺品整理記事の監修を務める。
まずは位牌を処分するタイミングについて紹介していきます。
一般的にはどのようなタイミングで処分されているのかを理解して、処分をする目安として参考にしましょう。
それぞれ詳しく解説していきますね。
最も考えられるタイミングとして挙げられるのが「上げ法事となった時」です。
上げ法事とは年忌法事を終わりにすることを指します。
一般的には三十三回忌を上げ法事にすることが多く、上げ法事と同時に魂抜きとなりそのまま位牌も処分することとなります。
また位牌と一緒に仏壇も一緒に片付ける場合が多く、位牌と仏壇を一緒にお焚き上げする場合も少なくありません。
引っ越しなどによって仏壇が置けなくなった時にも、仏壇と合わせて位牌も処分することが多いです。
ただし、仏壇だけをお焚き上げして、位牌だけは処分しないという形をとることもできます。
たとえ仏壇が置けなかったとしても、位牌だけでも問題ないので、引っ越し先のスペースなども考えて、処分するかどうか考えましょう。
位牌が傷んでしまった時も、処分をすることになります。
位牌が傷んでしまうと、新しく位牌を作って、古い位牌は処分することになります。
古い位牌は、新しい位牌を作ってもらった仏壇・仏具屋さんに回収してもらえる場合があるので、よく確認しておきましょう。
位牌は処分する前に必ず魂抜きをしなければいけません。
位牌には親族やご先祖様の魂が宿っているので、そのまま処分すると、親族やご先祖様の魂ごと処分をしてしまうことになります。
魂抜きをすれば、位牌は空の入れ物状態となるので、問題なく処分を進められるようになります。
ここからはそんな魂抜きについて詳しく見ていきましょう。
それぞれ解説していきますね。
一般的に魂抜きは菩提寺に相談して行うことになります。
菩提寺が分からない場合は近くのお寺や仏壇・仏具店などに相談してみましょう。
他にも魂抜きは遺品整理業者にお願いしたり、供養を専門で行っている業者にお願いしたりもできます。
「魂抜きはここじゃないとダメ」といったルールは特にないので、相談しやすい場所に連絡してみてください。
魂抜きにかかる費用相場としては「お気持ち」というぐらいなので、特には決まりがあるわけではありませんが、おおよそ3万円ほどです。
4という数字は忌み嫌われているので、4万円では出さないようにしましょう。
少ない金額を出したくないと考えるのであれば、直接聞いてみて「お気持ちで」と言われたら「皆さんはどれくらい出されていますか?」と聞けば答えてくれます。
また車で自宅まで来てもらう場合は車の代金として5,000円ほどをさし出すのが一般的です。
ちなみに魂抜きでさし出すお金は新札にするのが一般的なマナーとして知られています。
事前にお札はしっかり準備しておきましょう。
位牌の魂抜きをしないと、親族やご先祖様の魂を位牌の中に入れたままにしてしまいます。
つまり魂抜きをしないまま処分をすると、親族やご先祖様の魂が入ったまま処分することになってしまいます。
宗教的な側面があるので「親族やご先祖様の魂が入ったまま処分したからどうなのか」と言われてしまえばそれまでですが、気持ちは良いとは言えないでしょう。
そのため、取っ掛かりなく、位牌を処分したいのであれば魂抜きをすることをおすすめします。
また個人的に魂抜きをせず何も感じなくても、家族・親戚には魂抜きをしないと異様な目で見られる可能性があります。
またご先祖様の魂はご自分だけの問題ではなく、勝手に処分をしてしまうとトラブルになりかねませんので、処分の際はしっかりと家族と相談しましょう。
ここからは魂抜きをした位牌を処分する方法5つ解説していきます。
魂抜きをした位牌は、空の入れ物という状態なので、どのように処分をしても特に問題はありません。
ただし前述したように、位牌は自分だけで扱っていい物とは言えないので、家族・親戚をしっかり相談しながら処分方法を決めていきましょう。
それぞれの処分方法と費用相場を解説していきますね。
一つ目の方法が位牌を預けて永代供養をすることです。
永代供養とは長い間、霊園や寺院に位牌を預けて供養してもらうことを指します。
期間は霊園や寺院によって大きく異なり、30回忌までであったり、50回忌までであったりとさまざまです。
名称通り永代に供養してもらえるわけではないので注意しましょう。
位牌を預けて永代供養する場合の費用相場は5万円~50万円ほどです。
霊園や寺院によって大きく異なるので、永大供養ができる近くの霊園や寺院で一度費用を調べてみましょう。
お寺などに位牌をお焚き上げしてもらうのが最も一般的な方法と言えます。
お焚き上げは故人に関する捨てにくい遺品などを捨てる際に利用しますが、位牌などもお焚き上げしてもらえます。
仏壇も一緒にお焚き上げ可能です。
他にも処分したい遺品などがあれば、一緒にお焚き上げをしてもらいましょう。
ちなみに魂抜きと一緒にお焚き上げをしているお寺も多くあるので、魂抜きと位牌の処分を一緒にしたい場合は、事前にお寺の人に相談してみましょう。
お寺でお焚き上げしてもらう場合の費用相場は約1万円ほどです。
仏壇や遺品なども処分してもらう場合は、大きさなどによって大きく変わります。
大きい仏壇であれば5万円ほどかかる場合がありますし、小さい仏壇なら位牌と同じように1万円程度で済むことも多いです。
お寺でお焚き上げしてもらう場合は電話で受け付けてもらうことが多いので、電話受付時に気軽に質問してみましょう。
遺品整理業者に位牌をお焚き上げしてもらうこともできます。
全ての遺品整理業者というわけではありませんが、一部の遺品整理業者では遺品整理で出てきた不要な遺品をお焚き上げしてもらえます。
位牌や仏壇も同じように、お焚き上げしてもらえるので、非常に楽に処分を進められます。
ただし遺品整理業者は、実態の良く分からない業者も多く、実際にどのような処分をしているのか分からない場合も多いです。
確実にお焚き上げをしてほしい場合は、遺品整理業者選びにも気を使いましょう。
遺品整理業者にお焚き上げをしてもらう場合の費用相場は遺品整理の量によって大きく変わります。
というのも遺品整理業者でのお焚き上げは、遺品整理がセットになっていることが多く、遺品整理を依頼しなければお焚き上げをしてもらえないことが多いです。
そのため、遺品整理の量によって料金は大きく変動します。
目安としては1LDKの間取りで10万円、2LDKで15万円程度の料金と考えておきましょう。
例えお焚き上げだけを依頼できたとしても、料金はお寺などに頼む場合と比べると割高になるので、注意してください。
仏壇・仏具店に処分を依頼するのも一つの手です。
位牌を新しくする場合は、そのまま仏壇仏具店に処分してもらえます。
仏壇・仏具を新しくする場合は、仏壇仏具店にも相談してみましょう。
仏壇仏具店に処分を依頼する場合の費用相場は0円~1万円程度です。
仏壇仏具店によって大きく変わるので、新しくするタイミングで気軽に質問してみましょう。
魂抜きをした位牌であれば、一般ごみとして捨てることも可能です。
魂抜きをしたのなら位牌はただの空の入れ物なので、一般ごみとして捨てても特に問題はありません。
位牌の材質に合わせて処分しましょう。
一般ごみとして捨てるだけなので、当然ですが費用は一切かかりません。
最後に位牌の処分でよくある質問を3つまとめました。
処分時期や処分方法にお悩みの方は、ぜひ参考にしてくださいね。
位牌を処分する機会は多くないので、処分時期はいつがいいのか悩みますよね。位牌を処分するタイミングは主に3つあります。
弔い上げとはご先祖様と一緒に供養や法要を行うことを指します。弔い上げの時期は三十三回忌や五十回忌を区切りとすることが多いです。
これまで紹介したように、魂抜きは親族やご先祖様の魂を位牌から抜くのに必須です。ですが、位牌に魂入れをしていないのであれば、魂抜きをする必要はありません。
場合によっては位牌に魂入れをしていない場合もあるので、処分の際はしっかりと確認しておきましょう。
位牌は処分に迷ったら菩提寺に相談するのが鉄則です。
位牌の処分は非常に難しく、位牌に魂が入っているのか、引っ越しでどのようにするべきなのか、そのまま処分しても良いのか、など考えなければいけないことが多くあります。
そのため、自分ではこれで良いと思っていても、のちのちトラブルになってしまうことも少なくありません。
トラブルを極力避けるためにも、菩提寺としっかり相談して、正しい方法で処分しましょう。
本記事では位牌の処分方法についてまとめていきました。
位牌は処分前に魂抜きをすれば、さまざまな方法での処分が可能です。
とはいえ、位牌などの仏壇・仏具の処分はトラブルがつきものなので、しっかりと菩提寺と相談したほうが無難です。
あなたに合った方法で正しく処分しましょう。