「孤独死の遺品整理と特殊清掃はどんな違いがあるの?作業内容や費用相場を知りたい…」「もしも身内で孤独死が起きたら?」と普段は考えなくても、メディアや身近な人の訃報を聞くと他人ごとではない問題だと考えるでしょう。
孤独死だと遺品整理はどのように進めれば良いのでしょうか?さらに、数日から数週間も経過して発見された場合には業者にはどのような依頼をすべきなのかも、非常に難しい問題です。
今回の記事は、孤独死が起きた時の遺品整理と特殊清掃の必要性や当事者の注意点についてご紹介します。より身近な問題として考え始めている方も、この記事をご覧ください。善クリーニングの遺品整理サービスはこちらから詳細を確認できます。
一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士
不用品回収業者にて1年半の現場業務を経験。その後、作業オペレーティングや不用品のリサイクル・貿易業務に従事し、年間500件以上の不用品回収案件に携わる。
2019年4月より、本メディアをはじめとする不用品回収・遺品整理記事の監修を務める。
人は、病院や自宅で看取られる場合だけとは限りません。さまざまなケースで、孤独死が増加してきている時代です。こうした孤独死に直面した場合には、遺品整理業者の中でも特殊清掃も可能な業者への依頼が求められます。
特殊清掃は、消臭や除菌など高度な技術を持つスタッフを抱えている業者なので遺品整理業者のすべてが対応できるわけではありません。
遺品整理は、知れ渡るようになって関心度も高い反面、特殊清掃はあまり耳慣れない言葉ではないでしょうか?遺品整理と特殊清掃は、作業内容に違いがあります。
【遺品整理と特殊清掃の作業内容】
遺品整理 | 故人の持ち物を仕分けする 形見分けする 不要なものは処分する |
特殊清掃 | 孤独死した場合に対応が難しい場所を特殊な器具や薬剤を使って清掃をする 専門技術を駆使した清掃を行う |
どちらも亡くなった後に行われる作業ですが、遺品整理は、故人のものを整理することを中心としているのに対して、特殊清掃は孤独死で遺体が発見された場合に素人では対応できない特殊な清掃を行う作業内容なので大きく異なります。
家族や身内の誰にも看取られることなく亡くなる孤独死だけではなく、特殊清掃が必要なのは以下のような事例です。
これらに当てはまらないケースでも、自分では無理だと判断した場合には必要に応じて業者に特殊清掃を行ってもらうのが賢明です。
孤独死した場合、亡くなった直後に発見されることの方が稀です。発見が遅れるに連れて腐敗臭や雑菌が広がっていきます。血液や体液の問題もあり、そのままの状態では、遺品整理をすることもできません。健康被害や精神的なリスクも高くなります。
終活の話題で定着して来ている遺品整理ですが、その前に特殊清掃が求められるのが孤独死の場合です。まずは、特殊清掃をしてもらわなければ遺品の仕分けはできない状況なのです。
高齢化社会で核家族化が顕著なので、孤独死は高齢者の問題と考えられがちです。しかし、現役世代でも実際に孤独死が増加しています。身内が孤独死となった時には、特殊清掃と遺品整理を業者に依頼する必要が出て来る理由をお伝えしていきましょう。
お伝えしたように、孤独死の場合には発見まで日数がかかってしまう場合が多いものです。したがって、遺体の腐敗臭がひどく近隣への影響が出てしまいます。腐敗臭が周辺にまで広がってしまうことで、周辺住民への迷惑も想像を絶するほどです。
身内が亡くなったのだから「自分たちの手で清掃をしたい」と思う方もいるかもしれません。孤独死以外なら、そういった思いで遺品整理や掃除を行うのが普通でしょう。
しかし、孤独死はハウスクリーニングや清掃では対応できない問題が残っています。
これらが残されている孤独死の現状は、除菌や消臭、駆除など特殊清掃の技術を持ったスタッフでしか対応できません。
遺品整理は、近年になって業者も増加してきており関心を持つ方も多いでしょう。ところが、特殊清掃については遺品整理のように関心が高いわけではないものです。必要に迫られて、特殊清掃の業者を探すというケースがほとんどだと考えられます。
この時、特殊清掃と遺品整理は同じ業者に依頼をするのが効率が良くなります。もし、別の業者に依頼すると時間の調整が上手く行かなかったり、ロスする時間ができたりするので遺品整理まで終えるのに時間がかかってしまうでしょう。
一方、2つの作業に対応できる業者なら、進捗状況を見ながら次の作業にすぐにでも取り掛かれるので無駄がありません。同じ業者なら、出張費も一度で済むだけに費用を抑えられます。
元気な方でもいつ命が尽きるかもしれません。身内に孤独死が起きる可能性は、ゼロだとは言い切れないでしょう。動転してしまい何をどう対処すればよいかも分からないというのが普通です。
時間の経過とともに遺品整理を行うという現実を目の当たりにするものですが、孤独死の場合には遺品整理の前に注意すべきことがあります。
孤独死の起こったことを身内が発見した場合には、すでに現場に腐敗臭がこもっています。悪臭を取り去るために窓を開けたくなるかもしれませんが、前述のとおり近隣住民への迷惑となるため、特殊清掃が済むまでは窓の開放・換気扇の使用も避けてください。
またお風呂で孤独死していた場合、残り湯やシャワーで流すこともできません。毛髪や腐敗した皮膚が残っていて排管が詰まることも考えられます。
身内の孤独死を知らされた場合、その現場に特殊清掃が済む前に入ることはできません。
一刻も早く駆けつけたい気持ちがあるのは当然ですが、まずは特殊清掃を依頼した後から部屋に入るようにしましょう。
身内の孤独死では、特殊清掃と遺品整理を業者に依頼する必要が出てきます。心理的に、早く作業を依頼したいというケースも出てくるものでしょう。一刻も早い作業を任せたいと思う身内の気持ちは汲みますが、やはり見積もりは必ず取るのが鉄則です。
見積もりを依頼すると、遺品整理の費用に特殊清掃の費用が加算され、最終的な見積もり額が提示されます。
特殊清掃の費用は、作業内容ごとの料金、人件費で構成されるのが普通です。
特殊清掃の作業ごとの相場費用
オゾン脱臭 | 30,000円(1日) |
汚物撤去 | 20,000円 |
床上清掃 | 30,000円 |
消毒剤の散布 | 10,000円 |
浴室清掃 | 30,000円 |
人件費 | 20,000円 |
死後日数が長くなればなるほど、作業の工程や人件費もかかるため高額となってしまいます。
また、遺品の量や種類が多いほど料金が割高になるのは、通常の遺品整理と変わりません。
格安な費用で依頼できるのは理想ですが、相場よりも極端に安い場合には、特殊清掃に品質に問題がある可能性もあります。依頼しても臭いや汚れが除去できなければ、再度別の業者に依頼をしなければならなくなることだってあり得るでしょう。
確実な清掃を済ませるためにも、特殊清掃と遺品整理を依頼する際には見積もりが不可欠です。遺品整理の料金相場が知りたい方はこちらの記事も合わせてご確認ください。
孤独死の場合に遺品整理を進めようと思った場合、まず、特殊清掃を依頼しなければなりません。当事者にならなければ孤独死のお知らせを受けただけでも、その気持ちは計り知れないものがあるでしょう。
特殊清掃の役割をよく理解した上で、適切な業者に依頼をして清掃を済ませることが第一です。孤独死は決して他人ごとではなく、誰の身に起こることかもわかりません。
とっさの時に判断を見誤った行動や業者の依頼をしてしまわないためにもお伝えした注意点や業者の選び方を予備知識として知っておくのも無駄ではないでしょう。