終活を意識し始めると自分の身辺整理を具体的に考え始めるようになります。身辺整理は、身の回りのものや財産だけではなく人間関係も整理するものです。断捨離とほぼ同じ意味ですが、終活に特化した身辺整理はすべき内容に違いもあります。
そもそも、身辺整理はどのようなことを行うべきなのかも悩んでいる方も多いでしょう。この記事では、自分の人生の終焉を意識し始めた方に、身辺整理ですべき内容やコツ、手順を詳しくお伝えしていきます。
一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(認定者番号 24283)
不用品回収業者にて1年半の現場業務を経験。その後、作業オペレーティングや不用品のリサイクル・貿易業務に従事し、年間500件以上の不用品回収案件に携わる。
2019年4月より、本メディアをはじめとする不用品回収・遺品整理記事の監修を務める。
身辺整理は、やるべき内容がいくつもあり上手く進められるのか不安という方もいらっしゃるでしょう。 そもそも身辺整理とは身の回りにあるものを仕分け、環境を整えることを指します。
自分が亡くなった後に親族や周りの人が困らないように必要なものと不要なものを分けて片付ける作業です。続いて、身辺整理にあたってのコツをご紹介していきます。
だんだんと年齢を重ねるに連れて、人間関係も多くなってくるものですが、表向きのお付き合いだけで数年も連絡がない場合、知り合いや職場関連の仲間、近所づきあいはいったん整理してみましょう。
連絡先を削除したり一定の距離を置いたりしても問題のない人間関係は、結構あるものです。整理すると、より自分にとって必要とされるお付き合いに集約されます。
葬儀に参列すると、「自分のお葬式はどのように行われるのか」とふと思い描くことはありませんか。その思いをそのままにせず、以下のような希望をまとめておきましょう。まとめておくとエンディング環境まで整えられるため、身辺整理を進める際にやり遂げやすい心理になります。
特に葬儀に関しては、現在では自分の希望に添ったやり方が叶えられる傾向が高くなっています。後ほど、エンディングノートを使う方法をご紹介するので参考にしてみてください。
身辺整理を早めに始めるべきだと言われても、若いうちは「それだけのメリットがあるのか?」と疑問に思われるでしょう。今回は、身辺整理を早く進めると具体的にどのようなメリットがあるかをまずご紹介して行きます。
身辺整理は、不用品の処分をまず行うのが普通です。不要な大型品を処分するだけでも暮らしやすくなります。必要なものを把握できると、いつもの暮らしにゆとりが生まれるようになるためストレスの軽減も可能です。
また、先々のために転倒防止や導線の確保、リフォームを検討しやすい家の環境を整えられます。
身辺整理をしておくと、自分が亡くなった後の家族の負担を減らせます。高齢になって終活の一環で生前整理を考え始めるものですが、人は誰も明日も元気でいられるわけではありません。そのため、体力や気力のあるうちから少しでも早く取り組んでおく方が自分も負担を減らせるわけです。
身辺整理は、体力や気力が求められるものです。高齢になるに連れて体力や気力が衰えて来るため業者へ依頼する部分が多くなってきます。
自身や家族で身辺整理に取り組めるうちなら、費用は大幅な削減が可能です。
より詳しく知りたい方は、遺品整理と生前整理のメリット・デメリットの記事もあわせてご確認ください。
身辺整理を始めることで、逆にデメリットがあるのか確認しておきましょう。身辺整理はデメリットがあるというよりも、上手く行かないケースもあることを想定して注意をしておくのが賢明です。
身辺整理を始めるには、まず計画を立てなくてはなりません。行き当たりばったりで始めてしまうと、上手く行かなくて途中で挫折する場合もあるからです。せっかく始めても、身辺整理をし忘れるものが出て来ることもあります。
また、時間や費用が必要です。身辺整理は、慎重に考えて進めるべき内容も多く短時間で片づくものでもありません。自分で処分できない物に関しては、業者に依頼する必要もあり費用を考えておく必要も出てきます。
身辺整理を始めたいけれど「何をすべきか?」「どのように進めるのか?」という疑問にぶつかる方も多いのではないでしょうか?終活で行う断捨離は、身辺整理と同じ意味合いとして捉えられます。では早速、身辺整理をすべき内容と手順を4つに分けて詳しくご紹介して行きましょう。
身辺整理で大きな柱となるのが「断捨離」です。要不要を区別して不要なものは処分していかなくては、物は一向に減らせません。迷ったら感謝の気持ちで手放すようにすれば、自ずと罪悪感も無くなり物を減らせる感覚がつかめて来ます。
物を減らすためには、「使わないもの」をとにかく捨てていくのが先決です。「使えないもの」か「使えるもの」かで判断するのではなく、「自分が使うもの」だけを残していきましょう。いつか使うかもしれないという思いで残しておくと、物は減らせません。
断捨離でありがちなのが、大型の家具や家電などほど処分が後回しになってしまう悩みです。大きなものほど部屋からなくなると「片付けができた」という達成感が得られます。部屋の片付けを進めるためには、使っていない家具や家電などは粗大ごみに出すようにしましょう。
身辺整理で、重要なポイントは財産の整理です。自分の死後、相続をする方が困らないようにするためにも自分の財産を見直しましょう。
以上のような財産を整理してリストにしておく必要があります。財産をまとめて記録しておかないままだと、遺族でも財産を把握できないままで相続が進みにくくなります。また、遺族間での相続トラブルにもなり兼ねません。
遺族のためだけではなく、財産を把握できると今後の人生で自分の財産の再確認にもとても役立ちます。
たとえば、普段は使っていない通帳やクレジットカードや住所変更ができていない不動産などがあるのではないでしょうか?普段は、何も不都合がないだけに気づかないことが多いので、通帳の解約や不動産登記情報の確認も、身辺整理のタイミングで行っておくのが賢明です。
パソコンやスマートフォンに残っている写真や個人情報などのデジタルデータも、身辺整理の重要な部分です。これらのデータは、デジタル遺品と呼ばれるようになりました。
データの消去が正しくおこなわれないまま、パソコンが第三者に渡ると遺族がトラブルに見舞われる事例もあるので、生前に仕分けをしておくことが必須です。
保存可能なデータが大容量化していると、写真や録画もそのままで保存し続けているものもあるでしょう。身辺整理のタイミングで、不要なものは削除しておくと必要なデータが把握しやすくなります。
デジタルデータの中には、個人情報やお金にまつわる重要な情報が含まれています。それらを仕分けしておくことで、さまざまなデータを自身が把握しやすくなります。
特に、預貯金に関する内容(金融機関・口座番号・暗証番号・ネットバンクのログイン情報)は家族に伝える際にも慎重に行いましょう。紙に書いて残すだけでは、漏えいの危険性があります。自分と家族だけが知っている方法を設定して、保管場所を決めましょう。
仕分けが済んだら、ファイル暗号化アプリを使う方法もあります。暗号化アプリを使うとパスワードを知っている人にだけしか閲覧できないようにするのが可能です。
そもそもスマートフォンのロックが解除できないと、何も進めません。いざという時のために「スマホのスペアキー」を準備しておきましょう。
自身のブログやホームページ、SNSなどを自分の死後どうすべきか考えておかなくてはなりません。SNSによって亡くなった後の対応は、違うので注意が必要です。
登録者が亡くなった後のSNSアカウントの対応状況 | |
SNS | SNSの対応 |
追悼アカウントに変更
アカウントを削除可能 |
|
なし | |
追悼アカウントに凍結
近親者のみアカウントを削除可能 |
パスワードやID、メールアドレスを家族か信頼ある人に伝えられるようにしておくと、オンライン情報の共有ができます。
身辺整理では、エンディングノートが使うと効果的です。主に、エンディングノートには以下の内容をまとめていきます。市販のエンディングノートは、記入する内容によってさまざまな種類があるので、書きやすいものを探してみましょう。
身辺整理は、さまざまなリストやメモをすることで確認がしやすくなります。分かりやすくするために、作業をしながら書き留める場合もあるでしょう。
家族への思いは、自分なりの言葉でエンディングノートに書きます。それ以外の希望は、シンプルな箇条書きで充分です。
身辺整理をする際、捨てたくても自力では捨てられない家電や家具などに困ってしまうものです。そのような場合には、不用品回収業者に依頼をしてみましょう。断捨離をすると想像以上に不用品が出てきますが、不用品回収業者ならすべてまとめて回収が可能です。
せっかく取り組んでも、労力や時間がかかることで身辺整理を中断せざるを得ないかもしれません。そのような場合には、「善クリーニング」にお任せください。即日対応や素早い分別作業が可能で、身辺整理のサポートをいたします。
また、「善クリーニング」では不用品回収の際に買取も承っております。買取可能なわからない品物もまずはご相談いただけると、無料で査定させていただきます。どうぞお気軽にお問い合わせください。
Before
After
遺品整理をお手伝いさせていただきました。大型家具や電化製品など、不用品が多く出たため定額パックを提案させていただいたところ、金額的にも助かったし、遺品整理も終わってホッとしたとおっしゃっていただきました。
Before
After
ご家族からのご依頼で故人の遺品で不要なものを回収させていただきました。善クリーニングは遺品整理のお手伝いも行っております。ご依頼主様とご相談させていただきながら丁寧に仕分けいたします。
身辺整理は、部屋の片づけやエンディングノートの作成などすべき内容は多岐にわたります。体力や気力、判断力が衰えてしまってからは、取り掛かろうとしても上手く進めにくくなるものです。早めの取り組みが理想的です。
身辺整理は、自分の死後のために家族の負担を減らすという目的だけではありません。自分にとっても、物や人間関係、財産管理を整理することで、これからの人生でも暮らしやすくなるという目的もあります。
身辺整理への関心が高まったタイミングこそ、あなたにとってのはじめどきです。困難な部分は、業者にお任せする方法も想定して計画を立てていきませんか?