「実家が汚い!どうしてこんなに汚くなったんだろう?」「実家が汚くて、赤ちゃんを連れて帰省したくない」
そのような悩みを抱えている方が多くいらっしゃいます。実家の片付けをしたいけど、親が非協力的でなかなか掃除ができないと悩んでいらっしゃる方のために、実家をきれいにする方法を説明します。
実家をきれいにすることは、親の健康と長生きのためにもとても大切なことです。実家が汚い原因を知って、実家の片付けを始めましょう。
汚い実家をどうにかしたいとお考えの方は、この記事を参考にしてください。
一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士
不用品回収業者にて1年半の現場業務を経験。その後、作業オペレーティングや不用品のリサイクル・貿易業務に従事し、年間500件以上の不用品回収案件に携わる。
2019年4月より、本メディアをはじめとする不用品回収・遺品整理記事の監修を務める。
筆子さん
カナダ在住の60代主婦ミニマリスト。2015年2月にブログ「筆子ジャーナル」を開設。片付けや節約に関する情報を発信し、月間45万人が閲覧する人気ブログとなる。著書「本当に心地いい部屋 ものが少ないからくつろげる、満たされるから帰りたくなる」(大和出版) ほか。
子供時代に家族と住んでいた頃は実家はこんなに汚くなかったはず。なぜこんなに実家が汚くなったのか、まずはその原因を知って対処方法を考えていきましょう。
以前はこんなに汚くなかったのなら、親の体力が衰えてきたことが考えられます。片付けや掃除にはそれなりの体力が必要です。加齢によって筋肉量が落ちてきて、体を動かすことが億劫になってきた結果、掃除や片付けをしたいという気持ちも低下してしまいます。
また片付けたいと思っても、体が思うように動かないために実行できず少しずつ汚れが蓄積してしまうのです。
歳をとると体力だけではなく、認知能力も落ちてきます。必要なものと不要なものを区別することができなくなり、不用品が実家に蓄積されてきます。
脳内にはたくさんのニューロンがシナプスによって繋がっています。シナプスには記憶が蓄積されているのですが、60歳以上になると約20%減少してしまうそうです。厚生労働省によると65歳以上では5人に1人の割合で認知症を発症しているということです。
認知症にならなくてもだんだんと現状を認識しにくくなります。そのため不用品を捨てられずにモノが増え、その状態がさらに認知能力の低下の原因になってしまいます。
参考:認知症 みんなのメンタルヘルス(厚生労働省)
若くてもモノがどんどん増えている人もいらっしゃいます。もともとモノを捨てることが苦手な人たちです。モノを捨てることが苦手な人たちは、加齢によりさらに捨てられなくなってしまいます。
モノを捨てることが苦手な人は、モノに対する思い入れが大きい優しい人たちです。無理に捨てるように強制すると、悲しい気持ちになってしまうので注意が必要です。
独居生活をする高齢者にネグレクト傾向が見られます。
もともとネグレクトになりやすいの方は特に注意が必要です。ライフイベントや社会環境の変化がプラスされ、無気力になった結果、生活機能が低下しネグレクトになってしまうのです。
ネグレクトになると、汚い部屋がさらにゴミ屋敷と化していきます。気持ちもネガティブになるので、この悪い連鎖を断ち切るために部屋の片付けが必要です。
実家が汚いとさまざまなリスクが生じます。どのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。
実家が汚いということは、モノがあふれているということです。床にも不要なものが散らばっており、足の踏み場もない状態になっているため、転倒する可能性が高まります。
高齢になると歩幅も小さくなりほんの小さな段差でもつまずいてしまうため、簡単に跨ぐことができそうなものでも障害になりやすいのです。
骨がもろくなっている人も多く、転倒しただけで骨を折ってしまうことも少なくありません。50歳の女性の3人に1人は骨粗しょう症になっているという統計があります。それほど骨が弱っている人は多い傾向なので、注意が必要です。
また令和4年版高齢社会白書によると介護が必要になった原因として「骨折・転倒」が13.0%で認知症や脳卒中、衰弱に次いで4位でした。要介護にならないためにも、部屋をきれいに保ちたいものです。
汚い実家ではゆっくりくつろいで午後のお茶の時間を楽しむことも難しいでしょう。生活空間が汚いと生活クオリティーが下がってしまいます。友人や親戚を家に招くこともないので、だんだん交際範囲も狭くなることもデメリットです。
また汚いまま放置していると異臭やかび、雑菌、害虫が増えて不衛生な環境を作り出すことになります。不衛生な環境にいるとアレルギーやぜんそくの原因にもなり、アレルギー体質ではなくても体調不良の原因にもなります。
また精神衛生面でも悪影響で、ストレスがたまり疲れが蓄積されてしまいます。健康的な生活のためにも実家をきれいにしたいものです。
部屋に物があふれてゴミや不用品、必需品が区別できない状態で置かれていると必要なものが見つからなくなります。必要なものを探すのに時間がかかって、それだけで疲労がたまってしまいやる気がなくなることもデメリットです。
急に親が入院することになるといったことがあると、印鑑や契約書などが必要になることもあるので整理整頓をして貴重品等を確保しておきましょう。
またあまりに散らかっていると貴重品を盗まれても気づかないままになるので気をつけましょう。
実家が汚いと結婚相手を両親に紹介するために実家へ連れて行きにくくなります。実家が汚いと結婚相手に見せるのが恥ずかしいと感じる人も多いです。
また汚い実家を見て結婚相手としてどうなのかなと感じる場合もあるでしょう。汚い実家を見て、将来のマイホームを想像して結婚生活に不安を感じ結婚が破談になることもあります。
実家に帰ることが負担になります。汚い実家だと、特に赤ちゃんや幼児を連れての帰省に不安を感じます。衛生面でなんらかの影響が子供にあるのではないかと不安を感じることは自然なことです。特に普段は子供のためにしっかり掃除をしたきれいな家に住んでいると、汚い実家は不快です。
しかし、帰省して両親に会いたいと思うのは自然なことなので、ついつい家が汚いと注意しがちです。それが原因で親子喧嘩になることも。
ご両親を説得して実家をきれいにしたいですね。
実家を片付けてきれいにしようと思っても、実家は親の住居です。勝手に掃除を始めると親の機嫌が悪くなって喧嘩になり片付けられません。
ここでは汚い実家を掃除する方法を順を追って説明します。
まず、大切なことは親に納得してもらうことです。親だけで片付けるのではなく、片付けを一緒に協力していくことを約束すると安心してもらえます。
もったいない、思い出があるといった理由で捨てられなくなるものが蓄積されていますが、処分を強制してはいけません。とりあえず、種類別に箱に入れていきましょう。
まずは動線を作って、親が転ばない環境を作ることから始めてください。仕分けしながら、思い出話をして、仕分け作業を楽しいものにしていくことが大切です。
親の許可もなく勝手に不要だといってモノを処分することはおすすめできませんが、明らかにゴミになっているものはどんどん処分してください。
カビが生えたみかんの皮や印字が見えなくなった領収書などほとんど意味のないものもあります。そのようなものをゴミ袋に入れていくだけで、床に散らばっているものが片付いていきます。
実家の片付けの目標は、実家全体をきれいにすることですが、まずは1ヶ所を徹底的に片付けてみましょう。場所はどこでもいいのですが、例えばキッチンなら片付けることで使いやすくなり料理を作ることが楽しくなるでしょう。片付けることのメリットを感じてもらえます。
お風呂やトイレなどすぐに片付けられる場所もおすすめです。
あまり使わない部屋があれば、そこに不用品候補となるものをまとめて置くようにすると片付けが捗ります。
少しずつ部屋を片付けて、親もきれいな部屋での生活が快適だと納得したら業者に依頼すると片付けがスムーズになります。
親が納得したら不用品も処分したいものですが、行政のサービスで処分しようとすると回収日に実家にいなくてはいけないなど負担が大きいです。また大量の不用品を屋内から運び出すだけでも大変です。
生前整理のサービスを提供している不用品回収業者なら、高齢者の気持ちに寄り添ってていねいに仕分けをしてくれます。回収したあとのハウスクリーニングにも対応しているので、汚い実家が信じられないほどきれいになりますよ。
実家を片付けることに親が納得したら、業者に依頼するとスムーズです。不用品を処分するにしても、ご負担がありません。業者に依頼するなら、業者に依頼する際の注意点を知っておきましょう。
汚い実家の片付けを業者に依頼するなら、まず相場を知っておきましょう。間取り別の相場料金を表にしたので参考にしてください。
■一軒家の場合
間取り | 料金目安(円) |
1DK | 30,000〜120,000 |
1LDK | 60,000〜150,000 |
2DK | 80,000〜230,000 |
2LDK | 90,000〜300,000 |
3DK | 100,000〜350,000 |
3LDK | 150,000〜500,000 |
4LDK以上 | 200,000〜750,000 |
■マンションの場合
間取り | 料金目安(円) |
1DK | 30,000〜90,000 |
1LDK | 50,000〜130,000 |
2DK | 70,000〜170,000 |
2LDK | 90,000〜240,000 |
3DK | 110,000〜310,000 |
3LDK | 130,000〜400,000 |
4LDK以上 | 160,000〜550,000 |
料金に幅があるのは、同じ広さでもゴミの量に差があるためです。ご自分でできることを先に済ませておくと、料金が抑えられます。
生前整理という言葉を使うと誤解されることがあるので注意が必要です。まるで年寄り扱いされているように感じて、気分を害する可能性があります。
親が自分から生前整理という言葉を使って生前整理をしたいと言う場合を除いて、生前整理という言葉をできるだけ使わないようにしましょう。
汚い実家の整理整頓をするにはご紹介したリスクを強調して、片付けることのメリットを強調することが大切です。例えば「転倒して怪我をする可能性があるので、一緒に片付けよう」と誘ってみてください。
親を説得するためにじっくり時間をかけて、決して焦らないようにしましょう。部屋をきれいにすることで暮らしやすくなることを強調し、模様替えをして気分を一新できることを理解してもらいましょう。
業者によって料金とサービス内容は異なるので、複数の業者に相見積もりを依頼し比較して業者を選んでください。相見積もりをすれば適正料金の業者がわかるだけではなく、来てくれるスタッフの態度なども確認できるため信頼できる業者を選べます。
業者なら行政の粗大ごみ回収サービスでは処分できないものも、幅広く対応してくれるので負担が少なくなります。買取サービスのある業者に依頼すれば、使わなくてももったいなくて捨てられないものも納得して処分できるでしょう。
実家が汚いからなんとかしたいという方も多いでしょう。勝手に部屋を片付けると、家の片付けに関して親と喧嘩になる場合もあります。
どのように片付ければいいのかわからない方は参考にしてくださいね。
実家で暮らしている親の同意を得ずに片付けて喧嘩になるケースは少なくありません。年を重ねると体力の低下や孤独感から、物を捨てられなくなります。
はたから見ると不要なものでも、本人にとっては必要性を感じるものもあります。片付けを始める前に、まずは親と話し合いをしましょう。
部屋が汚い状態だと事故につながる恐れがあることや、捨てるのではなく寄付やリサイクルする選択肢もあると伝えて説得してみましょう。
親が亡くなってから物を片付けようとすると、大きな負担となるので少しずつ片付けることが大切です。身の回りで使っていない物があれば、処分したりリサイクルしたりして物を減らします。
一度にまとめて片付けをすると、作業の多さに途中で嫌になってしまうかもしれません。ですから、数日から数ヶ月かけてお風呂、トイレ、キッチン、洗面所、リビングなど1箇所ずつ片付けましょう。
物を処分する際に、3年以上使っていないものは捨てる、1年以内に使う予定のないものは捨てるなどマイルールを決めると片付けをスムーズに進められます。
時間のない中で実家をきれいにしたいという方は、ハウスクリーニングや不用品回収などプロにお任せするのも1つの方法です。
実家が汚いと帰省してもリラックスできず、ストレスを感じる方も多いです。産後に実家で生活する際も、ほこりや汚れが気になり赤ちゃんに悪い影響を及ぼさないか不安という方もいます。
以前に比べて実家の片付けや掃除ができなくなっていると感じたら、体力の低下や認知症が考えられます。ご自身で片付けたくても片付けられないといった場合もあるので、業者に相談してみてはいかがでしょうか。
実家が汚いと帰りたくなくなるだけではなく、親の健康にも被害が多いというデメリットがあります。誰もいないときに転倒して怪我をしてしまっては大変です。助けを求められずにそのままということにもなりかねません。
親の立場になって実家が汚い原因を理解し、親を説得して片付けるようにしましょう。片付ける工程でコミュニケーションを取り、親を理解するようにすれば部屋が片付くだけではなく前向きな気持ちになってくれます。
部屋が片付いて気持ちよく生活してもらうためにも、実家をきれいにしましょう。負担になることは業者に依頼すれば、スムーズです。