遺品整理では残されたものが多くて、残すものをどう選んでいいのか迷っている方も多くいらっしゃるでしょう。大切な人の遺品整理は、なかなか進められないものです。しかし、すべてを残すわけにはいきません。
ここでは遺品整理で残すものの見極め方のコツを解説し、残すもの・処分するものを把握できるようにしていきます。遺品整理で悩んでいる方は、この記事を参考にしてください。
一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(認定者番号 24283)
不用品回収業者にて1年半の現場業務を経験。その後、作業オペレーティングや不用品のリサイクル・貿易業務に従事し、年間500件以上の不用品回収案件に携わる。
2019年4月より、本メディアをはじめとする不用品回収・遺品整理記事の監修を務める。
遺品整理で残しておきたいものをご紹介します。誤って捨ててしまうことがないように必ず確認しておきましょう。
以上のものは遺品整理を始めたらまず保管して別にしてから仕分け作業をすると、遺品整理がスムーズです。
クレジットカードやSIMカードの契約会社は利用者が亡くなっても知るすべがありません。料金が発生するものはそのままにしておくと支払いが発生するため、できるだけ早くに解約手続きが必要です。基本的には解約手続きは法定相続人がする必要がありますが、代理人でも問題はありません。
またSuica・PASMOといった交通系電子マネーは、解約と同時に払い戻しも発生します。例えばモバイルSuicaは会員本人の死亡を証明する書類と受取人の身分証明書を提示すれば払戻金が銀行に払い込まれます。
故人が所持していたカード類を解約手続きが終わるまで保管し、すぐに捨てないようにしましょう。
借りているものはきちんと整理し保管しておいて返却しましょう。例えば介護ベッドや車椅子、歩行車などです。支払いの状態や契約期間も確認し、できるだけ契約期間内に返却しましょう。
介護用品以外に、インターネット回線がある場合はモデム、J:COMなどのケーブルテレビを契約されていた方はチューナー、レンタルCDやDVD・ダスキン等の掃除用品等などもあります。料金は故人の銀行口座から引き落としが行われていることもあるので、銀行口座を確認しながらチェックしてください。
運転免許証やパスポート、マイナンバーカード、保険証は返却することが義務付けられています。それぞれ返却する場所は以下の通りです。
1人暮らしをしていた故人の場合は、電気・水道といった公共料金の通知の手紙などが届いています。そういった手紙類は供給停止の手続きが必要な場合があるので、手続きが終わるまでは保存しておきましょう。
特に故人がNHK受信料を支払っていた場合、特に銀行引き落としになっているならすぐに解約が必要です。NHKへ「放送受信契約解約届」を提出しなくてはならず、もし提出していないと支払いが続きます。また支払わないと「滞納」ということになるので注意してください。
コレクションされるものなど、意外なほど高値で買取されるものもあるので確認が必要です。
例えば以下のようなものがあります。
特に今、手に入れることが難しいものは高値で買取されるものがあります。
関連記事:買取できる遺品10選
本やCDも好みのものではなくても、そのまま捨てないで査定してもらいましょう。なかにはコレクション品として価値のあるものもあります。古い本といえばまとめて買取をしてくれるチェーンの古本屋がありますが、ただ状態がいいかどうかで値段をつけるので注意が必要です。
なかには希少価値の本やCDもあり、特殊な買取業者なら高額で買い取ってくれるものもあるためです。
隠し持っていたコレクションが希少価値で2,000万円で売れたというケースもあります。できれば価値をきちんと知っている業者に査定してもらった方がいいでしょう。
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着物は品物によりますが、高額で売れるものの一つです。もちろん、親族で着用したいという人がいれば、その方が故人も喜ばれるでしょう。
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故人の直筆の日記や手紙といった肉筆で書かれているものは、故人との思い出を偲ぶために最適なものです。直筆のものがたくさんありすべてを残すことが困難な場合でも一部を残したり欲しいという親族に分けて保管しておきましょう。
家族の写っている写真も非常に重要です。一緒に写っている人、それぞれの写真集を作って分け合うことも可能です。また同じ家族写真集を作って親族それぞれが保存してもいいでしょう。家族写真集を製作するサービスも存在します。
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故人が大切にしていたトロフィーや勲章、賞状などは捨てられませんね。しかし保管場所に困るようなら一時的に保管しておき、その後親族で話し合って処分してもいいでしょう。
ただし注意していただきたいのは、トロフィーや勲章の素材です。昭和40年代以前のトロフィーは銀製の場合が多く、銀製ですと変色しやすいので古くて汚くなっていますが価値があります。SILVER 925とかSTERLING SILVERといった刻印がされていないか確認してください。
銀や真鍮ならそれなりの価格で売却も可能です。
権利書など大切な書類は保存しておきましょう。印鑑もたくさんもっている方も多いですが、すべて保管しておき印鑑証明に使われている印鑑がどれなのかを確認することも忘れないでください。
遺品整理をしているとタンス預金が発見されることがあります。もちろん現金を見つけて捨てる人はいませんが、だからといってそのまま着服してしまうのも問題です。きちんと保管して家族に報告してください。
またタンス預金は家族にも知られないように隠している場合がほとんどです。本の間に、封筒に入れて引き出しにマフラーなど小物類と一緒に隠されていることもあります。間違って捨てないように気をつけましょう。
その他、通帳も数冊持っている方もいらっしゃいますし、すっかり忘れてほったらかしにしている通帳がある場合もあります。そういったすぐに現金化できるものは全部一緒にして家族と共有することが大切です。
参考:三菱UFJ銀行 長期間使用していない預金等のお取り扱いについて
遺品整理をしていると大量の鍵が出てきます。なかにはもう使っていない鍵もありますが、確認できないものはすべて保管しておきましょう。
用途がわからないものでも引き出しや倉庫などの解錠に必要な場合があります。紛失すると業者に依頼しなければならないので、気をつけてください。
迷うということはそれだけ理由があるはずです。とりあえず保管しておかないと、処分して後悔しても取り返しがつきません。住宅の一室を保管する部屋にするか、住宅を処分するならトランクルームを借りるか親族で話し合いましょう。
遺品整理を始めるときの注意点を知っておきましょう。
古い家電や日用品など処分するものだけではなく、保存するものも含めてどのように故人宅から搬出・運搬するかを考えておきましょう。運搬する際の運搬手段や搬出するときに、どこに車を止めて積み込みを行うかなど前もって熟考すべき点がたくさんあります。
特に大きな家具類やピアノなどがある場合は、どのように搬出するかをよく考えておきましょう。
電気・水道はそのままにしておくと使用しなくても基本料金などが発生しますが、だからといって止めてしまうと遺品整理のときに困ってしまいます。照明がないと作業時間が限られてしまいますし、水道がないと遺品整理の際に汚れを拭き取ることができません。遺品整理をして掃除を終えるまでは、ライフラインはそのままにしておきましょう。
形見分けは贈り物ではないので包装は不要です。そのままの状態でお渡ししてもまったく問題ありません。故人との関係を考えて、形見を渡す方を選びますが欲しくないという方もいらっしゃいます。欲しくない方には無理にお渡しせず、残った形見は別の親族が保管するか供養をして処分するようにしましょう。
持ち家の遺品整理ならそんなに急いでする必要はありませんが、誰も住んでいない家であることがわかると不法侵入など犯罪や放火が起きる可能性があり、治安の悪化の原因となるので注意が必要です。郵便受けからチラシがはみ出たり、庭に雑草が生い茂ったりすると空き家だと一目でわかります。
空き家であることがわからないようにする工夫が必要です。
遺品整理を始める前に遺書とエンディングノートをチェックし、故人の意志を尊重して残すものを選びましょう。
遺書やエンディングノートには、故人が大切にしていたものを誰に渡すのか、どこかに寄付したいのかなどが記されています。できるだけ故人の希望にあった方法で遺品整理をしていきたいですね。
エンディングノートは終活ノートとも呼ばれ、法的な効力は持ちませんが故人の遺志が記されている書類です。遺書は法的な項目が含まれる書類で、主に財産分与などは故人の希望通りに実現することが義務付けられています。
遺書で法的な効力をもつのは次の点です。
このように法的な問題が大きく関わるものは遺言書にのみ効力をもちます。ただしこのようなこと以外も遺書に記述することができ、そういう意味では遺書とエンディングノートに特に違いはありません。
法的な効力のないことに関しては、極端な話をすれば無視してもまったく問題はないのですが、できるだけ故人の意思にしたがって処分したいものです。
関連記事:エンディングノートの書き方
遺書やエンディングノートだけでは、残すものを選ぶには不十分なことがほとんどです。ここではどのように残すものを決めるのかを考えていきましょう。
まずは親族と残すもの、処分するものの基準を話し合って決めておきましょう。例えば四十九日など親族が集まる日が話し合いのチャンスです。話し合いの席では、遺書やエンディングノートのコピーを作っておき親族全員に知らせておきます。
できるだけ早めに基準を決めて遺品整理を始めましょう。遺品整理はできるだけ早めに終わらせるように、話し合いの席でスケジュールを決めておくことも大切です。
また一時的に保管する場所も親族で決めておくとスムーズです。どうしてもすぐには処分するかどうか決められないものが必ず出てきます。そのようなものを故人の家に保管できない場合は、貸し倉庫や親族が所有する物置やセカンドハウスなど保管できる場所があるかどうかを確認しましょう。
故人が大切にしていたものはできるだけそのままの状態で残しておきたいものです。また大切にしていただけに、大切な遺族に渡せるようにしましょう。
写真などは膨大な量になります。特にデジタルカメラが出る以前の写真はフィルムだけでも大量なので、データ化が可能かどうかを親族で話し合いましょう。
どんなに細密な基準を作っていても迷ってしまうものはあります。そういったものは一時的な保管がおすすめです。大切な方が亡くなってすぐは、気持ちが整理されておらず残すべきかどうか判断できないこともあります。
処分してしまって後悔しないように、とりあえず一時的に保管しておきましょう。特に保管場所が確保できるのであれば、あせって処分せず時間を置いて処分するかどうかを考えれば十分です。
遺品整理を進める際にご故人様のご遺品を残すべきか、捨ててもよいのか悩むことも多いでしょう。遺品整理にお困りの方は善クリーニングにご相談ください。
善クリーニングでは一般社団法人遺品整理士認定協会より認定された遺品整理士が在籍しております。ご故人様の遺された大切な遺品の仕分けをお手伝いさせていただきます。
相談やお見積りは無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
遺品整理は故人の大切にしていたものを処分してしまうかもしれないという罪悪感もあり、なかなか厄介な問題です。しかし遺品整理をすることで、心の整理もでき故人の残したものを整理できます。
ただし処分や搬出、運搬は大変な作業なので一部を業者に委託するとスムーズです。遺品整理をしている不用品回収業者に依頼すれば、面倒なさまざまな業務を代行してもらえます。例えば次のようなことです。
貴重品などがランダムに部屋のどこかに隠れているので、信頼できる業者を選ぶことが大切です。善クリーニングは遺品整理にも対応しています。処分品の供養にも対応し、遺族の方のお気持ちに寄り添ってていねいな作業を心がけています。買取もしているので、よりお得な処分が可能です。