本記事では遺品整理で出た着物の扱い方・対処法・処分方法を解説していきます。遺品整理をしていて着物が出てくると「遺品整理の着物って捨てるの?」「どうやって扱えばいいの?」と迷うことは多いですよね。
そんな方はぜひとも本記事を参考にしてくださいね。
一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(認定者番号 24283)
不用品回収業者にて1年半の現場業務を経験。その後、作業オペレーティングや不用品のリサイクル・貿易業務に従事し、年間500件以上の不用品回収案件に携わる。
2019年4月より、本メディアをはじめとする不用品回収・遺品整理記事の監修を務める。
まずは遺品整理で着物が出てきたときの主な対処法・処分方法を解説します。遺品整理で着物が出てきた時は、以下の3つ扱いをすることになります。
それぞれの方法を詳しく解説していきますね。
最も一般的なのが、売却することです。遺品整理で出てきた着物なので、売却という響きに嫌らしさを感じる人はいるかもしれませんが、最もお得で合理的な処分方法と言えます。
罪悪感などを感じない場合は、売却が一番おすすめですよ。
売却をしないで再利用する方法もあります。自分で使ったり、譲ったり、寄付をしたりと、お金にはなりませんが、引き続き着物を使うことで、ある種の供養になります。
捨てたり売ったりすることに、罪悪感を感じる場合は再利用しましょう。
売却も再利用もしないのであれば、ゴミとして処分します。着物をゴミとして処分するのは気が引けるかもしれませんが、現代において着物の需要は低いです。
そのため、売ろうとしてもお金にならず、再利用しようにも一切使わない、ということは少なくありません。手っ取り早く手放したいのであれば、思い切ってゴミとして処分しましょう。
続いて「売却」「再利用」「処分」それぞれの手段で、どのように扱うのか詳しく解説していきます。まずは遺品整理で出た着物を売却する方法を見ていきましょう。
ひとつひとつ解説していきますね。
最も一般的な売却方法が買取業者に依頼することです。専門知識がなくても、買取業者に査定してもらうだけで金額を出してもらい、その場で売却ができます。
ほとんど手間がないので、忙しいけどしっかりと着物をお金に換えたい方におすすめです。
フリマサイトに出品するのも1つの手です。自分で出品をして、配送の手続きや、送料の把握、購入者との連絡など、必要な作業は多いですが、買取業者に依頼するよりも高く売れる傾向にあります。
今までフリマサイトを使っていて慣れている方におすすめです。これを機に、フリマサイトの利用を始めて見るのも1つの手ですよ。
フリマサイトと似たような形ではありますが、ネットオークションに出品することも可能です。フリマサイトと同様に、出品や配送などの手間はありますが、買取業者よりも高く売れやすいです。
フリマサイトとの大きな違いは、購入希望者が値段を釣り上げてくれることにあります。そのため相場が分からなくても、購入者希望者が多ければ多いほど、自動的に相場近く、もしくは相場以上の金額で売れます。
ですが、購入者希望者が少なかった場合は、低価格でそのまま売れてしまうことも少なくないので、最低金額の設定はしっかりと行いましょう。
売りたいものがたくさんある場合は、リサイクルショップに売るのが一番おすすめです。遺品整理をしていると、着物だけでなく、家具や家電なども不要なものが出てくるかと思います。
そんな時はリサイクルショップを使ってまとめて売りましょう。専門の買取業者と違って、着物に対する知識が少ない可能性があるので、査定額は低くなるかもしれませんが、まとめて売却できるので非常に楽ですよ。
自分で遺品整理を終わらせるのが困難な場合は、遺品整理業者に依頼することは少なくありません。遺品の買取も行っている遺品整理業者に依頼をすると、遺品整理時に出た不要な遺品をその場で買い取ってくれます。
買取額はリサイクルショップなどと比べると安いですが、遺品整理自体の手間が一気になくなります。最も手間をかけずに遺品整理と売却ができる方法ですが、業者に依頼するための料金はかかってしまう点は、留意しておきましょう。
続いて、遺品整理で出た着物を再利用する方法を解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
もっともシンプルな方法が、自分で使うことですね。これは言わずもがなではありますが、遺品整理で出た着物を自分が引き継ぎたいと感じたのであれば、そのまま自分のものにしましょう。
ただし相続などの問題もあるので、自分が引き継ぐ場合は、念のため家族に一声かけておきましょう。
親戚や家族に譲るのも一つの手です。自分にとっては必要がなくても、親戚や家族には必要であることは少なくありません。
他の人に渡してしまう前に、必ず親戚・家族に確認をとっておきましょう。
自分・親戚・家族全員に着物が必要ないことが分かったら、友人・知人にも必要な人がいないか確認しましょう。見ず知らずに人に譲ったり、そのまま捨ててしまったりするよりは、友人・知人に譲ったほうが良いかと思います。
譲る相手が見つからない場合は、寄付を検討してみましょう。着物はさまざまな団体が寄付を募っています。
団体によっては自宅まで引き取りに来てくれます。また、何より故人の大事にしていた着物を再利用してくれるので、捨てるよりかは気が楽です。
捨てるのに気が引ける場合は、着物の寄付を募っている団体を検索してみてください。
再利用の方法として最後の紹介するのが「ジモティーに出す」ことです。ジモティーとは無料で出品できる、地元特化型のフリマサイトのようなものです。
フリマサイトとの大きな違いは、発送する必要がない点があげられます。近くに住んでいる購入希望者を自宅まで呼んで、その場で手渡しができるので手間がほとんどありません。
遺品整理時に出た家具や家電も、売るのが面倒ならジモティーに出品すると楽ですよ。
最後に、遺品整理で出た着物をゴミとして処分する方法です。
さっそく見ていきましょう。
最も簡単な方法が自治体のルールに従って、ゴミとして捨てる方法です。着物は自治体によって捨て方が大きく異なります。
汚れているなら可燃ゴミとして出したり、汚れていないなら資源ごみとして出したり、とルールは住んでいる地域によります。しっかりと確認してからゴミとして捨てましょう。
遺品整理業者に依頼して処分してもらうのも1つの手です。遺品整理業者は遺品整理をしてもらい、その際に出た不用品の処分も一緒にお願いできます。
これから遺品整理をはじめる場合は、遺品整理業者に依頼するべきなのか、一度検討してみましょう。
遺品整理がすでに終わって、不用品だけが余っているのであれば、不用品回収業者に依頼しましょう。不用品回収業者は、名称通り不用品の回収をメインとしている業者です。
そのため、非常に作業が早く、あっという間に不用品を片づけてくれます。遺品整理時に出た、処分のしにくい遺品が多い場合は、不用品回収業者に依頼してスッキリさせましょう。
お焚き上げ供養をするのも1つの手です。お焚き上げ供養とは、故人の持っていた遺品を燃やして供養することです。
再利用はできないし、売ることも捨てることも、気が引ける方はお焚き上げ供養をしましょう。お焚き上げ供養をする場合は、近くの神社やお寺に依頼します。
費用は5,000円ほどです。
遺品整理で着物を処分するときは2つの注意点があります。ご自身で勝手に着物を処分すると、親族間でトラブルが発生する可能性があります。
気をつけたいポイントを確認し、トラブルを未然に防ぎましょう。
故人の遺言書やエンディングノートがないか事前に確認しておきましょう。遺言書は法的に有効な書類なので、着物の相続に関する記載があれば着物は指名されていた相続人のものになります。
有名な作り手や産地の着物は、1枚数十万円の価値がつくこともあります。そのため、勝手に着物を処分するとトラブルになりかねません。
着物に限らず遺品を整理するときは処分する前に親族と話し合いましょう。故人が大切にしていたものや、思い出の品は一度捨ててしまうと取り返すことができません。
保管したり形見分けをするか、処分するか全員が納得した上で進めていくと安心です。
遺品整理業者に依頼するときに気をつけるべきポイントは、信用できる業者か確認することです。大切な方の遺品を整理するときに、雑に扱われたり不当な高額請求をされたりするのは嫌ですよね。
スタッフの対応や料金を確認して、遺品整理業者を選びましょう。相場を確認して安すぎる場合や高すぎる場合は、実際に利用した方の口コミを確認するのが良いです。
遺品整理時に出た着物は大きく分けて「売却」「再利用」「処分」の3種類の方法で対処します。自分に合った方法で、遺品整理を終わらせて、家をスッキリさせてましょう。