健康な時に老前整理を開始すると様々なメリットがあります。老前整理を始めるタイミングはいつがいいのか?またどのようなメリットがあるのか?当記事では、老前整理のメリットや注意点、老前整理のやり方について徹底解説します。
老前整理とは、自分の老いに備えて快適に生活するために身の回りを整理することです。家の中にある不用品を処分したり、エンディングノートを作成して家族に情報を残したりします。老前整理をする年齢に明確な基準はなく、最近は20代の若い世代から老前整理に取り組む人が多くなりました。
老前整理をしておくことで快適な生活が送れるだけでなく、将来の不安を解消させることができます。元気に動き回れる時に老前整理をしておくメリットはたくさんあります。
老前整理では、以下のようなことを実施します。
上記の実施することからも分かる通り、老前整理は高齢者になってから始めるものとは限りません。若いうちに始める老前整理には、多くのメリットがあります。また、老前整理は1回やればいいものでもありません。年に1回など定期的に老前整理に取り組むことで、快適なライフサイクルを継続的に送ることが可能になります。
老前整理はいつから始めるものでしょうか。老前整理を始めるタイミングについて解説していきます。
病気になった時に老前整理を開始する人が多いです。
自分が病気になることで、将来的な不安が生じやすくなります。病気になると「体が不自由になったら家の片付けは誰がするのか」と、生活面での不安を感じやすくなります。重たい荷物は若いうちに運び出したいでしょうし、体が元気なうちにやりたいことにチャレンジしたくなります。
自分が病気になった時だけでなく、配偶者や子供が病気になった時、自分の親が病気になった時にも老前整理に取り組む人が多くいます。
子供に手がかからなくなった時、夫婦で共に老前整理を開始するケースがあります。
子供が独立するまでは、子供の成長を見届けながら、手がかかることもたくさんあります。家の中は子供の荷物で溢れかえり、買い物も子供が優先になります。大学進学や社会人になって子供が家を出ていくと、家の中を広く使うことができるようになります。子供の荷物を不用品として処分すれば、家の中に新しいスペースを生み出すことができます。荷物で溢れかえっていた家の中がスッキリすれば、快適な生活を送れるようになるでしょう。
また、子供第一で考えていた生活は、自分たちの今後のことに目が向くようになります。子供のために使っていた時間を夫婦での時間に費やすことができます。改めて身の回りを整理して、老後に向けた準備を開始するきっかけとなるのです。
親戚や友人から老前整理をしてよかった話や老前整理をしてこなかったことで苦労した話を聞くことがあります。同じような苦労をしないように、早めに老前整理に取り掛かる人が多いです。
親戚や友人が経験した話はとても参考になるはずです。経験談を聞きつつ、自分なりの老前整理に取り掛かりましょう。
ふとした時に、将来のことが不安になることがあります。もしくは、将来に実現したい夢を新たに持つこともあるでしょう。将来のことを考え出した時、老前整理に取り掛かる人がいます。
老前整理をすると、将来設計がしやすくなります。やりたいことや行きたい場所、やってみたい趣味などが頭の中でリストアップされていきます。老前整理で身の回りを整理できれば、将来設計をシンプルにプランニングできるようになるでしょう。
老前整理のメリットには、以下のようなものがあります。
早めに老前整理に取り組むと、元気なうちに整理できるメリットがあります。
古くなったソファを粗大ゴミに出すのは大変です。また大きい家具を移動させることも、高齢者になってからは簡単にできません。老前整理は、元気なうちに家の中を整理できるメリットがあります。
「いつかやろう」と家の片付けをせずに放置していると、知らず知らずのうちに年齢を重ねて体が思ったように動かなくなることがあります。体が思ったように動かなくなるため片付けがより億劫になり、家の中が散らかっていく悪循環を引き起こしてしまうのです。
将来、体が不自由になってからでは家の整理ができません。粗大ゴミの処理も一人ではできなくなり、家族のサポートを受けることもあるでしょう。家の中が片付いていなければ、家族が片付けなければならなくなります。事前に不要なものを減らしておけば、片付ける量も減少します。老前整理をすることは、将来の家族への負担を減らすことにつながります。
老前整理でエンディングノートを作っておけば、不慮の事故があっても残された家族に迷惑をかけません。重要な書類がどこにあるか、どのような保険やサービスに加入しているか、などをエンディングノートにまとめておきます。将来、家族の負担が軽減されることが見えていると、あなた自身の精神的負担も軽減されます。
老前整理で家の中を片付けておくと、事故を未然に防ぐことができます。仮に足が不自由になった場合、散らかった家の中では転倒する機会も増えてしまいます。また、高いところにある荷物も片付けておくといいでしょう。地震などの災害対策にもなります。
家の中が片付き、不要なものを処分すると快適な生活を送ることができます。押し入れやクローゼットに使わなくなった雑貨や衣服が溜まっていませんか?使えなくなった家電が放置されていませんか?自分の家の中にある不用品を整理すると、気持ちもすっきりします。
不用品を処分して家の中を片付けるだけで、シンプルで快適な生活を送ることができるようになります。
老前整理をすることで、無駄な出費を抑えるメリットがあります。家の中が片付くと、新しいものを購入する時に「本当に必要なものだろうか」と検討するようになります。
例えば、衣服があります。季節が変わると新しい服が欲しくなるものです。しかし、老前整理でクローゼットの中を整理すると、まだ着れる衣服がたくさんあることに気付きます。必要なものや本当に欲しいものだけを購入するようになり節約効果が働きます。
また、家の中ではありませんが、老前整理で車を手放した事例もあります。車を維持するコストは家計をかなり圧迫します。車が無くても電車で移動できる、サブスクのカーシェアを利用する、といったライフスタイルの見直しをかけることで出費を抑えることができます。
老前整理で新しいものを購入する機会は減り、出費を抑えることにつながります。老後に向けてお金を貯めておくことができれば、安心して将来設計ができるようになります。
老前整理はどのようにすればいいのでしょうか。誰もが老前整理をする時、何から手を付けていいか分からないものです。短時間でやるのではなく、計画的に少しずつ進めていくようにしましょう。老前整理のやり方には以下のようなものがあります。
1つずつ詳しく解説していきます。
老前整理で不用品を処分する際には、季節ものや身に着けるものから始めるといいでしょう。
季節の節目で利用するものは、時間の経過とともに利用しなくなっている場合があります。子供が小さい時に出していたクリスマスツリーは、飾られることなく倉庫に眠っていませんか?
また、身に着けるものも年齢を重ねる度に使われないものが増えていきます。若いころに着ていたシャツ、もう入らなくなったスカートなど、衣服類は「もったいない」と思って捨てずに取っている場合があります。
季節ものや身に着けるものの例をまとめます。
49日前に整理する重要書類 | ||
クリスマスツリー | ひな人形/五月人形 | 門松 |
楽器類 | 餅つき機 | バーベキューセット |
昔の制服 | 着る機会が減った着物 | 若いころ購入した高いコート |
以前使っていた財布 | ビデオカメラ | 録画したビデオテープ |
まだ使えるものは、リサイクルショップで売却したり、子供たちに譲ったりして手放すことで老前整理ができます。
家具などの大きなものを捨てると、部屋の中は一気にすっきりとします。古くなった家具や家電を買い替えることで、生活が快適になるメリットもあります。
大型の家具は捨てるのが大変で、古くなっていても家の中に放置されやすくなります。粗大ごみの手続きも面倒ですし、外に運び出すのも疲れます。そんな時は、専門業者に不用品回収を頼むと1日で家の中の整理が完了します。
「いつか使うだろう」と思っていて使わないものは思い切って処分してしまいましょう。家の中を見回してみると、いつか使うものとして取っておいたけれど、結局使っていないものがたくさんあるはずです。漫画や本などを片付けることも老前整理で効果的です。今は書籍をモバイルで読むこともできるため、電子化のスタイルに移行してみてはいかがでしょうか。
老前整理をする上での注意点をまとめます。
老前整理しようと思い立ったら一度に全て終わらせたくなるものです。しかし、老前整理は時間も労力もかかります。一度で全て終わらせようとすると、かえってモチベーションが保てなくなります。また焦って片付けをすると大切なものを間違って捨ててしまったり、家具を動かすときにけがをしてしまったりといったリスクが生じます。老前整理が中途半端に終わってしまい、かえって部屋が散らかってしまうことも起こりやすくなります。
不用品の処分は一度で全て終わらせようとするのではなく、計画的に取り組むことをお勧めします。
大きい荷物は一人で整理しないようにしましょう。家具を持ち出そうと思って事故につながることがあります。まずは、細かいものから整理を開始し、大きい荷物は業者に依頼するといいでしょう。もし2名以上で作業をする場合も、事故には十分注意しましょう。
不用品の中にはリサイクルできるものがたくさんあります。捨てるのはもったいない、と思うものは積極的にリサイクルに回しましょう。ただ捨てるだけだと損をした気分にもなりますが、リサイクルに出して誰かに使ってもらえるのなら気持ちも変わるはずです。リサイクルショップに販売すれば不用品の処分が収入になります。
家電を処分する際には、リサイクル料金がかかります。新しい家電を購入する際に持ち出してもらうようにすると、不用品を処分する手間がなくなります。インターネットでフリーマーケットアプリを活用するのもいいでしょう。
老前整理を業者に依頼する際には、信頼できる業者を選ぶようにします。不用品回収業者の中には、想定以上の見積額を提示してくる業者や見積後に追加料金を請求してくるところもあります。また作業が雑で、不用品を運び出した後の清掃までは実施してくれない業者もあります。
信頼できる業者であれば、丁寧な作業は当然のこと、老前整理のアドバイスをしてくれます。不用品の中で利用できるものは、リサイクルに回してくれて作業費から減らすこともできます。安いからお願いしよう、と単純に決めてしまうのではなく、業者の信頼性については事前にチェックしておきましょう。
老前整理のメリットややり方について解説してきました。老前整理を開始する年齢は決まっていません。早ければ早いほど、得られるメリットも多くなります。いつかやろうと思って手遅れになる前に、早めの行動を心掛けていきましょう。