セルフネグレクトが若者に急増していることをご存じですか?セルフネグレクトに陥ると、生活にさまざまな支障をきたして、自分に悪影響を与えるのはもちろんのこと、周囲にも迷惑をかけてしまいます。
本記事では、そんな若者に急増しているネグレクトについて原因や解決法などを徹底解説していきます。
「セルフネグレクトの兆候があるかもしれない」「知人・家族がセルフネグレクトかもしれない」と考えている方はぜひとも参考にしてくださいね。
一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(認定者番号 24283)
不用品回収業者にて1年半の現場業務を経験。その後、作業オペレーティングや不用品のリサイクル・貿易業務に従事し、年間500件以上の不用品回収案件に携わる。
2019年4月より、本メディアをはじめとする不用品回収・遺品整理記事の監修を務める。
セルフネグレクトとは自己放任とも言い、物理的には人としての生活を送れる状態でありながら、精神的な問題でセルフケアが行えない状態を指します。
人は病気や怪我などの問題がなければ、自分で貯まったゴミを捨てたり、自分でお風呂に行って体を洗ったり、服が汚れたり時間が経ったら洗濯をしたりと、自分で自分の世話(セルフケア)が可能です。
ですがセルフネグレクトになると、ごみが捨てるのが面倒になってゴミ屋敷ができてしまったり、お風呂に行くことがなくなり健康状態が悪化したりします。
現在は特に若者にセルフネグレクトが増えており、大きな問題となっています。
セルフネグレクトの原因はさまざま上げられますが、若者に増えている原因としては主に以下があげられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
20代になると一人暮らしを始める若者は多いです。一人暮らしを始めると、今まで親にしてもらった洗濯や掃除などの家事を、全て自分で行う必要があります。
特に完璧主義な人に起きやすいのですが、全ての家事を完璧にこなそうとすると、仕事と家事の両立が大変になって、一気にやる気が消失してしまうことがあります。
20代の若者はSNSなどを使って人とつながることに長けています。ですが、SNSでの付き合いが主流となってしまい、逆に現実世界でのコミュニケーションが不足してしまうことも少なくありません。
現実世界でのコミュニケーションは、感情を豊かにするために重要な要素です。SNSに依存しすぎて、現実のコミュニケーションが少なくなればなるほど、感情が欠如してセルフネグレクトに近づきます。
20代の若者は、入社したばかりで収入が少ないです。貯金がないことの不安や、現在の収入でこの先どう生きていくのか、などのストレスから精神的に余裕がなくなりセルフネグレクトになることがあります。
コロナ禍が原因で、娯楽が減ったのも大きな原因です。外でご飯を食べたり、イベントに参加したりと、今まで当たり前にできていた生活が無くなったことのストレスから、セルフネグレクトになることがあります。
在宅勤務などで家での時間が増えて、人とのコミュニケーションが極端に減っている場合は特に注意が必要です。
これまで紹介したものと少し被りますが、精神的苦痛を受けることも原因の1つです。精神的苦痛とは、いじめや死別などが主にあげられます。
これが特に10代の若者は、学校でのいじめが引き金になることが多いので、保護者の方はしっかりと対応をする必要があります。
若者のセルフネグレクトといっても、その人の行動や性格によってなりやすさが異なります。次に紹介する心理状態の方や行動をとっている方はセルフネグレクトになりやすい傾向があります。
若者のセルフネグレクトについて詳しく見ていきましょう。
生真面目な方やプライドが高い方はセルフネグレクトに陥ることがあります。プライドが高すぎると自分の悩みや困りごとを周りの人に相談できず、溜め込んでしまいます。
生真面目な人は責任感が強く、周りの人の評価を気にしすぎてしまいます。そのため、他人に悩みを打ち明けられず、セルフネグレクトになってしまう可能性があります。
経済的に困窮していてセルフネグレクトになる方もいます。生活にかけるお金を節約した結果、食事を取らない、お風呂に入らない、病院へ行かないなどのことが習慣になります。
栄養バランスのとれない食事を摂り続けることで、精神的にも身体的にも不健康になっていきます。また、家族からのいじめや配偶者との死別のように、精神的ダメージがきっかけとなる場合があります。
孤独感を強く感じるようになり、自分の生活に関心がなくなっていきます。
続いて、若者がセルフネグレクトに陥った時にどうなるのか解説していきます。
それぞれ見ていきましょう。
セルフネグレクトに陥ると「ゴミを捨てに行くのが面倒くさい」「ゴミをゴミ箱に入れるのが面倒くさい」といった気持ちが生まれてしまい、家がゴミ屋敷状態になります。
家のゴミが増えてきたら、セルフネグレクトの兆候かもしれないので注意しましょう。
お風呂に入らない、洗濯をしない、掃除をしない、食品を腐らせたままにするなど、セルフネグレクトに陥ると、家の環境が悪化します。
この状態のまま対策をせずに過ごすと、当然のことながら不衛生なので健康状態が悪化します。
あいさつをしなくなるのも特徴の1つです。周囲の人に迷惑をかけたくない、生活を見られなくないといった気持ちから家族や近隣の住民とのコミュニケーションを避ける場合があります。
他の人とのコミュニケーションを極度に避けたり、近隣との日常会話が減ってきたら意識的に会話をするように心がけましょう。
洗濯をしていない衣服を身につけたり、お風呂に何日も入らなかったりなど、身だしなみを気にしなくなるようになります。
身近な人の変化を感じたら、積極的に話を聞いたり、相談に乗ったりするようにしましょう。
セルフネグレクトに陥ると、健康状態が悪化するので、そのまま孤独死する可能性が高いです。
孤独死は、高齢者だけだと思われがちですが、若者でもセルフネグレクトが原因で、孤独死をしているケースが多いので注意が必要です。
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若者のセルフネグレクトを治す方法は主に以下の4つです。
それぞれ解説していきますね。
まずは自覚をする・させることが大事です。セルフネグレクトの症状から、自分に当てはまると思ったのなら、できるだけ早めの対処をする必要があります。
セルフネグレクトは対処をしようにも、自分だけではどうしようもありません。対処をすることすら面倒に感じてしまうためです。
そのため、自分がセルフネグレクトであることを自覚できたら、家族などの周囲に頼りましょう。また家族がセルフネグレクトであると感じたのなら、しっかりとサポートをしてあげましょう。
家が汚れている場合は、まずは片づけることが大事です。家がゴミ屋敷状態ではセルフネグレクトを治療しようにも、全く進展しません。
周囲と協力したり、業者に頼るなどして、まずは家を綺麗にしましょう。
セルフネグレクトは再発しないようにするのも大事です。セルフネグレクトは一度治したと思っても、再発することが多いです。
定期的に医者に相談するなどして、再発防止に努めましょう。
セルフネグレクトになってしまっても解決する方法はありますが、対策方法を知っておけば、なりづらくなります。自分だけでなく身の回りの人を守るためにも、簡単に確認しておきましょう。
今生活環境が辛く耐え続けている方は、環境を変えてみることをおすすめします。職場や学校など自分の置かれている状況が苦しい時、環境を変えると自分の気持ちも変わります。
新しい環境に馴染むまでには大変なこともあるかもしれませんが、そのままの環境にいるとセルフネグレクトになるかもしれません。
自分の抱えている問題を身近な人に話すことで、自分の気持ちを落ち着かせることができます。話すことで直接的な解決につながるわけではありませんが、孤独感や喪失感を感じづらくなります。
相談をするのが恥ずかしい、自分の問題だから人に話せないという若者の方は増えています。実際、本音を出せずに悩みを抱えてしまう人も多いです。
自分一人で悩みを抱えている時は、勇気を出して家族や友人などの存在に頼ってみましょう。身近な人に相談するのが難しい場合はカウンセラーなどの専門家に相談してみると良いです。
セルフネグレクトになってしまう方は自分の身体状態に気付いていない場合があります。ストレスを抱え込み周囲の人との連絡が煩わしくなったり、身近な人と関わりが少なくなったりすると、セルフネグレクトに発展する可能性もあります。
孤独感を感じるときこそ周囲の人とどこかへ出かけたり、意識的に話すことを心がけましょう。普段はしないことをしてみたり、自分の好きなことをしたりするなど、気分を変えてみるのもおすすめです。
いざという時は業者に頼って、負担を減らすことも大事です。
業者に依頼するとお金はかかってしまいますが、生活の負担が大きく下りますし、セルフネグレクトを治す大きな一歩にもなり得ます。
お金に余裕があるなら業者への依頼を検討してみましょう。
洗濯や掃除などの家事は家事代行業者へ依頼しましょう。家事の負担が減ることはもちろんのこと、家政婦とコミュニケーションがとれる点も大きなポイントです。
ゴミ屋敷の清掃は、専門業者へ依頼しましょう。不用品が多い場合は、ゴミ屋敷の清掃を行っている不用品回収業者に依頼するのが一般的です。
ゴミ屋敷を清掃したらハウスクリーニングを依頼しましょう。ゴミ屋敷の清掃業者は、ゴミの回収が主で、細かいところの清掃はしてくれません。
ハウスクリーニングに依頼することで、家の隅々まで綺麗にしてくれますよ。
最後にセルフネグレクトに関するよくある質問をご紹介します。セルフネグレクトでお悩みの方必見です。
セルフネグレクトとは自分の生活環境や栄養状態の管理が行えなくなることを指します。無気力になり、周りの人に助けを求められず、ゴミ屋敷や病気になる原因になる場合もあります。
セルフネグレクトになる原因は主に4つあげられます。
・病気や入院
・家族間のトラブル
・身内の死去
・近隣住民とのトラブル
ただし、きっかけがなくセルフネグレクトの原因がわからない場合もあります。
セルフネグレクトになったときの対処方法は主に4つあります。
1.相談窓口を利用する
2.病院で治療する
3.家族や友人に助けを求める
4.介護サービスを頼む
1人で抱え込むと孤立し、症状が悪化する場合があるので、コニュニケーションをとることが大切です。
コロナ禍の影響もあり、セルフネグレクトは若者に急増しています。本記事で紹介した、原因や対策をしっかりと理解して、セルフネグレクトを防止してくださいね。
セルフネグレクトの兆候を感じたら早めに対処を行いましょう。