お正月や初節句の時に縁起物として購入することが多い「破魔矢」は、お札といっしょに家に飾ることで厄除けになるといわれています。さらに矢が持っている「射る」という特性から、幸運を射止めるご利益があると考えられ、自宅や会社に飾っている人も多いのではないでしょうか。
縁起物の破魔矢だからこそ、急に処分をしなければならなくなった時にどうすればよいか判断しにくいものです。当記事では、破魔矢の概要から飾るタイミング、破魔矢の処分方法について解説をします。
破魔矢の概要について、以下の通り解説します。
破魔矢は、お正月や初節句の際に縁起物として神社から授与される矢のことです。「魔」を「破る」という文字のごとく、災いや不幸から身を守り、一年を安心に過ごす思いが込められています。また、破魔矢が「矢」のかたちをしているのは、幸せを射止めるという意味が込められています。
破魔矢がお正月に授かるようになった由来は、古くから正月に行われていた「射札」という占いから来ているといわれています。弓矢は通常「武器」になりますが、昔から魔を祓う力もあると信じられていました。そのため、各地方ではお正月に破魔打と呼ばれる年占いの神事が行われていました。
その後、破魔打の神事が簡略された結果「矢」だけが残されて、破魔矢が家族の安全を守り、幸せを運ぶ縁起物として考えられるようになったといわれています。
破魔矢を飾るタイミングは、一般的にはお正月が多いでしょう。初詣で訪れた神社から授与され、一年の厄除けと幸せを願います。お正月が一年の始まりになるので、破魔矢を飾るタイミングとしては区切りが良いのですが、必ずしもお正月でなければならないわけではありません。厄除けを目的としているため、子供の初節句などのお祝いのタイミングで飾ることがあります。
また、家を建てる前や会社を設立する時に行う上棟式で、将来の事故から守る目的で破魔矢を使うことがあります。
破魔矢は神様に関する縁起ものであるため、見下ろすことの無いよう高い位置に飾るようにしましょう。家に神棚があれば神棚に飾るのがベストですが、最近は神棚を用意していない家も多くあります。みんなが集うリビングや、外から魔を連れ込まないために玄関の高い位置に飾ると良いとされています。
破魔矢を飾る場所は常にきれいにしておく必要があります。もし棚の上に飾る場合には、下に白い紙を引くようにします。破魔矢の形から矢を上に向けて飾ることは考えにくいですが、矢の向きは下になるか横を向けるようにしましょう。
破魔矢を不用品として処分するタイミングに明確な決まりはありませんが、次のお詣りの際に処分する方法が一般的です。例えば、お正月の初詣の時に破魔矢を授与された場合は、次のお正月に行く初もうでの時に前の破魔矢を処分して、新しい破魔矢を授かります。
子供のお宮詣りで授与された場合は1歳の誕生日のとき、七五三で授与されたときは翌々年の初詣のときがいいとされています。ただし、必ずしもそうしなければいけないのではなく、次のお詣りの際に奉納する流れで問題ありません。
破魔矢の処分方法は、以下のとおりです。
それぞれの方法について解説します。
破魔矢を処分する方法として一般的なのは神社に持っていく方法です。初詣の際に古い破魔矢を持っていき、納札所や古札所に返納します。納札所が設置されていない神社では、社務所に持ち込めば引き取ってもらえます。納札所に破魔矢を納めた後は、一年間魔除けしてくれたこと・家族を守ってくれたことに感謝の気持ちを込めて手を合わせましょう。
納札所にはお賽銭箱が設置されている場合があります。お賽銭箱には、お焚き上げ料を納めます。お焚き上げ料が「返納初穂料」として明示されている神社もありますが、一般的には100円程度で問題ありません。金額よりも気持ちを込めて、納めることが大切です。
お焚き上げに参加して、破魔矢の処分をする方法も一般的です。お焚き上げの文化は地方によっても違いますので、神社などで確認をしてみるといいでしょう。火を前にすると厄除けに一区切りができたようで落ち着いた気持ちになることができます。お焚き上げに向けて、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
どんど焼きとは、お焚き上げの一種でお正月に行われる行事です。どんど焼きは、1月15日に行われることが一般的ですがお焚き上げは1月15日以外にも行われる違いがあります。どんど焼きで破魔矢を焼くときもお焚き上げと同じように、感謝の気持ちを込めて処分するようにしましょう。
初詣に持っていくことを忘れた時や、初詣に行く都合がつかなかったときなどは、破魔矢を自宅で処分することができます。自治体のごみの日に処分するようにします。
注意しなければならないのは、破魔矢は焼却することが正しいとされているため粗大ごみと一緒には出さずに燃えるごみの日に出す必要がある点です。破魔矢を白い紙で包み込み、捨てる前には手を合わせて感謝の気持ちを伝えることで供養されるといわれています。
また、自宅で焼却する方法もあります。その際には、周りの家にしっかり配慮して焼却するようにしましょう。昔は各家庭に焼却炉が用意されていましたが、最近は環境の問題もあって自宅で簡単にごみを燃やせなくなりました。破魔矢は焼き終わるまでに時間がかかりますので、できれば無理に自宅で焼却しないことをおすすめします。
引越しのタイミングには大きな粗大ごみが出るため、不用品回収業者にお願いすることもあるでしょう。その際に、破魔矢も一緒に処分してもらうことができます。自宅で処分する時と同じよう、粗大ごみとして処分しないようにお願いするようにします。
遺品整理を展開している不用品回収業者であれば、破魔矢の処分方法についても熟知しています。もし仏具なども一緒に処分する際には、合わせて処分方法を確認しておくといいでしょう。
破魔矢の処分に関してよくある質問をまとめます。
破魔矢を飾った後に処分するのがもったいない、そのまま保管しておきたいと考える人も少なからずいます。破魔矢は捨てずに保管しておけるものでしょうか?
破魔矢は、処分せずに飾ったままにしておいても問題はありません。ただ、魔除けとしての効果は無くなっているため、そのまま保管しておいても効果は発揮されないとされています。破魔矢を自宅に保管する場合には、汚れてしまわないように定期的なお手入れをするようにしましょう。
破魔矢を家にそのまま保管せずに、初詣のタイミングで新しい破魔矢と交換することが理想的な流れとなります。
破魔矢は生活ごみと一緒に処分ができます。燃えるごみの日に合わせて処分するようにしましょう。ただ、同じごみ袋にいれることに抵抗があることも確かです。破魔矢を白い紙で包み、破魔矢だけの袋を用意しておくと気持ちも落ち着かせられます。破魔矢が長い時には、折って袋に入れても問題ありません。
引越しの際に破魔矢を持っていた時には、破魔矢を授与された神社に返納できない場合があります。破魔矢は違う神社で処分しても問題ありません。家庭の事情もあるでしょうから、お詣りをした神社の納札所に納めるようにしましょう。その際には心の中で「事情があってこちらに納めさせていただきます。1年間ありがとうございました。」と伝えて手を合わせるようにしましょう。
喪中の年には初詣を控えるべきだ、と言われることがありますが、初詣をすること自体が間違いではありません。ただし、気持ちの整理が落ち着いていないときは、無理に初詣をしなくてもよく、破魔矢を返却する必要もありません。気持ちの整理がついてから、神社に納めるようにしましょう。
神社の中には、破魔矢と一緒に「破魔弓」を授与してくれるところがあります。破魔弓は、破魔矢と一緒に飾りますが、飾り方や考え方は同じです。処分する時には神社に持ち込むようにし、自分で処分する場合も同じように感謝の気持ちを伝えて処分します。
七五三の時に授与した破魔矢は、どのように処分したらいいのでしょうか。七五三の破魔矢を記念に残しておきたい、と考える親族の方も多いのではないでしょうか。七五三の破魔矢を保管して残しておきたい人は、処分せずに飾っておいても間違いではありません。破魔矢は1年間の魔除けと幸せに感謝をして神社に返納するものです。1年以上残しておくことで、魔除けの効果がなくなったとしても、悪い気を持ち込むことはありません。
ただし、破魔矢にほこりが溜まってしまうなど、雑な扱いをしてはいけません。保管する場合には丁寧に保管し、常に清潔を保てるようにしましょう。そろそろ処分しようと思ったときには、その年の初詣の際に納めれば問題ありません。
家にある不用品を一度に処分したいと考えている方は、ぜひとも善クリーニングを利用ください。破魔矢や神棚・仏壇など、処分するのに迷うようなものに関しても気軽にご相談ください。善クリーニングの長年の経験から、一番適した方法をご提案させていただきます。
粗大ごみから捨てにくいごみまで、これまで不用品回収業者としての実績と信頼がありますので、安心して利用することができます。
善クリーニングには定額パックがあるため、分かりやすい料金設定になっています。トラック積み放題のプランが人気です。善クリーニングなら遺品の量に合わせて積み放題プランを選択できるため、コスパの良いサービスを選ぶことができます。
善クリーニングがおすすめの理由は次のとおりです。
破魔矢の処分方法について解説をしてきました。破魔矢はお正月や節句の際に神社に授与されるものであり、魔除けと幸せを招き入れる縁起物です。次の年のお詣りの際に、前の破魔矢を納めて新しい破魔矢を授与してもらう流れを作っておくといいでしょう。
破魔矢は神社に納める以外に、お焚き上げに参加する方法やどんど焼きで処分する方法、自宅で処分する方法などがあります。自宅で処分する時には、粗大ごみの日に出すのではなく燃えるごみの日に出すようにします。白い紙に包んで、これまでの感謝の気持ちを添えて処分するようにしましょう。
引越しの際に破魔矢を処分したいと考えている人は、不用品回収業者に依頼すると効率的です。他の粗大ごみと合わせて処分をしてくれます。悪徳業者につかまらないよう、破魔矢を不用品回収業者に依頼する際には「どのように処分するのか」をしっかり確認しておきましょう。
破魔矢を処分する時には、必ず1年間のお礼を伝えて手を合わせるようにしましょう。気持ちの持ち方によって、破魔矢の効果も発揮されるものです。