遺品整理は場合によっては許可が必要であることをご存じですか?遺品整理を依頼する側でも、自分で開業する場合でも、許可や資格はしっかりと理解しておく必要があります。
許可や資格について理解していないと、悪徳業者に依頼してしまうかもしれません。本記事ではそんな遺品整理に関する、許可や資格について詳しく解説していきます。
ぜひとも参考にしていただき、正しく理解しておきましょう。
一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(認定者番号 24283)
不用品回収業者にて1年半の現場業務を経験。その後、作業オペレーティングや不用品のリサイクル・貿易業務に従事し、年間500件以上の不用品回収案件に携わる。
2019年4月より、本メディアをはじめとする不用品回収・遺品整理記事の監修を務める。
さっそく遺品整理に関する許可や資格を詳しく解説していきます。許可や資格を正しく理解していないと、依頼する側からしても、遺品整理業を始める側からしても、思わぬ後悔をする可能性が出てきます。
しっかりと確認しておきましょう。
家庭から出た不用品を回収して、運搬するために必要になる資格です。基本的に遺品整理業者は、不要になった遺品を運搬する必要があるため許可が必須です。
廃棄物は、法を守って適正な処理をする必要があります。許可を持っていない業者に依頼すると、この適正な処理が行われるかどうかが確認できません。
環境省でも、無許可の業者は利用しないように呼びかけているので、よく理解しておきましょう。
「古物商許可」は不用品の買取をする際に必要な資格です。物を買取してもらう際は、業者側が古物商許可を取得している必要があります。
遺品整理業者では、遺品の仕分けをして、高価なものが出てきた際は査定して買取をしてもらうことがあります。このような買取のシステムがある業者は古物商許可が必須です。
遺品整理士とは民間団体が認定している資格です。国家資格ではないため、大きな意味があるわけではありませんが、遺品整理に関する正しい知識を有しているので、役に立つことが多いです。
これから遺品整理を仕事にして始める場合は、取得しておいた方がステータスになります。また依頼をする立場なら、遺品整理士が在籍している業者を選ぶと、気持ちよく遺品整理が進められる可能性が高くなります。
ただしこのような資格は必須ではないので、あまり固執しすぎないようにしておきましょう。
一口に遺品整理と言っても、さまざまな種類があります。そのため、許可が必要ない場合もあれば、必要な場合もあります。
ここからはさまざまなパターンに分けて、どのような場合で許可が必要になるのか解説していきます。
それぞれ詳しく解説していきますね。
自分で遺品整理をする場合は、許可は一切必要ありません。遺品整理とはそもそも、亡くなった家族の遺品を仕分けて片づけることを言います。
必ずしも業者に依頼する必要はありません。そのため、自分で行う場合は、もちろん資格は必要ありません。出てきた不用品などは売ったり、自治体に従ってゴミとして処分したりと、ルールに則っていれば、どのように処分しても問題はありません。
もし業者が不用品を回収する場合は、許可が必要になります。前述したように、家庭から出る一般廃棄物を回収して運搬する場合は許可が必要です。
そのため、これから遺品整理業を始める場合は、基本的には許可を取得する必要があると覚えておきましょう。取得したい場合は、まずは地域の廃棄物事業協同組合に問い合わせてみましょう。
もし業者が不用品を買取する場合でも許可が必要です。買取する場合は「古物商許可」が必要です。遺品整理業を始めるうえで買取は必須ではありませんが、買取ができたほうが何かと便利です。
取得したい場合は、警察署を経由して公安委員会に対し申請します。
遺品整理を業者に依頼したとしても、遺品の仕分けだけをする場合は、許可は必要ありません。もちろん遺品整理士の資格なども必要ありません。
遺品の仕分けをして、不用品の回収や買取をする場合にだけ許可が必要になります。そのため、仕分けだけでなく、印鑑などの貴重品の捜索や、仕分けをした後の家の掃除なども特別な許可はなくてOKです。
つまり極論で言えば、許可ががなくても遺品整理業は始めることは可能です。
最後に業者に資格や許可があるか確認する方法を紹介します。これまで紹介したように、遺品整理業者は資格や許可がある業者を選んだほうが良いです。
以下の方法を参考に、優良な業者を見つけてくださいね。
それぞれ詳しく解説していきます。
もっとも簡単な方法がホームページから確認する方法です。業者のホームページへアクセスして、ページの一番下を確認してみましょう。
多くの場合でページの一番下に「許可〇〇市第〇〇号」「古物商〇〇県公安委員会許可第〇〇号」などの表記がされています。ページの一番下に見当たらない場合は、会社概要に書かれていることがあります。
遺品整理士に許可もホームページで確認できますが、必須ではないのでそこまで気にする必要はありません。「遺品整理士が在籍していたら少し期待ができる」程度に留めておきましょう。
また遺品整理士が在籍していたとしても、自分が依頼した際に本当に遺品整理士が来てくれるとは限らないので注意してくださいね。
ホームページから確認できなかった場合は、市町村の許可業者の名簿を確認しましょう。許可は市町村で取得するので、市町村のページで確認できます。
「〇〇市 一般廃棄物収集運搬許可」で検索してみましょう。名簿の一覧が検索結果に表示されます。その名簿に利用する予定の業者の名称があるかどうか確認しましょう。
シンプルに問い合わせ時に確認する方法もあります。電話で見積もりをお願いする際に、許可を取得しているか確認してください。
悪徳業者の場合はその場で嘘をつく可能性も考えられるので、不安な場合は番号もしっかりと聞いて確認しましょう。
現地で確認するのも1つの手です。遺品整理時に買取をする場合は、簡単に言えば「出張買取」と同じです。出張買取をする場合は、古物商許可証を携帯して現場に向かう必要があります。
そのため、現場に許可証を持ってきていない場合は、信用できない業者と言えます。現地で確認がとれない場合は、その場で帰ってもらったほうが良いでしょう。
遺品整理には許可が必要になることが多いです。ですが、自分で行う場合や、業者に仕分けだけをしてもらう場合は、許可は必要ありません。
簡単に言えば以下の3点を覚えておけばOKです。
業者に依頼する際は、許可を確認することで、優良業者か判断する材料になります。ホームページでしっかりと確認して、優良業者を見つけてくださいね。
遺品整理士がいるとより一層、安心して依頼できますよ。