遺品整理は自分一人で行うにはかなりの労力が必要です。ですがコツさえ分かっていれば比較的スムーズに進められます。そこで本記事では「自分で遺品整理する際の手順は?」「不要な遺品の処分方法は?コツはあるの?」
このような疑問をお持ちの方に向けて、遺品整理を自分で行う方法を紹介していきます。ぜひとも本記事を参考にしていただき、スムーズに遺品整理を行いましょう。
一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士
不用品回収業者にて1年半の現場業務を経験。その後、作業オペレーティングや不用品のリサイクル・貿易業務に従事し、年間500件以上の不用品回収案件に携わる。
2019年4月より、本メディアをはじめとする不用品回収・遺品整理記事の監修を務める。
遺品整理は亡くなられた方の遺品を分類して片付けることです。遺品とは故人が使用していたものや、保有していた遺産などその人の所持品を指します。
遺品整理をすると故人のものと向き合うことになり、悲しみを感じてしまうことがあります。遺品整理をする時は寂しさを感じるかもしれませんが、遺品を仕分けて整理することで、気持ちも少しずつ整理できます。
遺品を保管しておくか、形見分けするか、処分するかなどを選択しなければいけません。そのため、遺品整理は気持ちの区切りがついたタイミングで始めることが大切です。
遺品整理を行う前に、まずは必要なものを準備しましょう。自分で遺品整理をする際に必要なものは以下の通りです。
基本的には上記を用意していれば困ることはありません。 ゴミ袋は不燃・可燃・資源などさまざまな物を用意してください。 他にも必要なものがあれば、準備しておきましょう。
続いて自分で遺品整理をする手順を3ステップに分けて大まかに紹介していきます。
遺品整理は漠然と行っていると、いつまでたっても終わりません。 しっかりとこれらの手順を理解して、どのように進めていくのかイメージしておきましょう。
遺品整理を始める前にまずはスケジュールを立てましょう。 遺品整理を自分で行う場合は、1日で終わることはありません。仕事の都合などもあるかと思いますので、億劫にならずにテキパキ行えるようなスケジュールを立てておきましょう。
遺品整理の規模は故人様によって様々ですし、家が離れている場合は長期間に及ぶことも考えられます。無理のないスケジュールを立てて、気持ちよく遺品整理ができるようにしましょう。
スケジュールを決めるときのポイントは2つあります。
いつまでに何をするか決めておくと遺品整理をスムーズに進められます。遺品の量や遺品整理をできる人数によっても、作業ペースが変わります。まず、遺品整理を終わらせる予定の日を決めてから、作業内容を逆算して計画していくと楽になります。
スケジュールと立てたら、まずは必要なものを仕分ける作業に入ります。 仕分ける作業には時間をかけても構いません。 自分で遺品整理をする場合は、故人様との思い出に耽るのもここでは良い機会なので、じっくりと時間をかけて仕分けていきましょう。
遺品整理で重要な書類や大切な思い出の品は誤って捨てないように気を付けてください。
骨董品や美術品のように資産価値のあるものも、相続品に含まれます。一方、資産だけでなくローンや借金も相続に含まれるので、負債がないか確認しておきましょう。
上記のものは状態によっては、買取が可能です。処分してしまう予定のものがあれば、買取業者に見積もりを依頼すると良いでしょう。
必要な物を仕分けたら不要なものを捨てる時間になります。 ここでは一気に進めていきましょう。一度仕分けたのに、また「必要かもしれない…」と考えて時間をかけてしまうと、いつまでたっても終わらなくなります。
一度仕分けたものは捨てると決めて、一気に処分していきましょう。処分方法は後述する「不要な遺品の処分方法」を参考にしてくださいね。
処分する物の量が多いと、自治体の粗大ゴミでまとめて処分できない可能性があります。遺品整理業者や不用品回収業者に依頼すると、搬出から分別まで全て対応してもらえます。
ここからは自分で遺品整理をする際のコツを5つ紹介していきます。
コツを理解しているだけで、作業がグッと進みやすくなりますので、ぜひとも参考にしてくださいね。
自分で行う遺品整理はなかなか手が進みません。そのため手を動かしやすい清掃を合間合間にしてしまいがちですが、それでは時間がかかってしまいます。基本的には清掃は最後にすると決めて、仕分けをどんどん進めていきましょう。
ただし、家との距離があって遺品の量が多く、数か月や1年などに及ぶような遺品整理であれば、埃はどんどんたまっていくので、定期的に清掃は行ってもOKです。
自分で遺品整理の仕分けをする際のコツとしては、まずは絶対に必要なものだけをピックアップすることです。 絶対に必要なものとは、土地の権利書や契約書類、通帳などです。いわゆる思い出の品などの、捨てるかどうか迷いそうなものは後回しにしましょう。
絶対に必要なものと、思い出の品などを交互に仕分けていると、何が必要なのかあやふやになっていきます。そのため、最初は絶対に必要なものだけをピックアップして、その後余ったものから徐々に仕分けを進めていきましょう。
ある程度仕分けをしたら、不用品と必要品に分かれてくるかと思います。そこで、不用品の中から売れるものと、売れないものを仕分けましょう。ここできっぱりと不用品を2種類に分けることで、のちのち非常にスムーズにゴミを捨てられるようになります。
不用品の中で売れないものはそのままゴミ袋へ、売れない粗大ゴミは部屋の一か所にとりあえず固めておきましょう。不用品の中で売れるものはダンボールへ、ダンボールに入らないほど大きなものは粗大ゴミとは別の場所に固めておきましょう。
遺品の中でも、不要で捨てたいけど気が引けるものも多いかと思います。 例えば、故人様が気に入っていた服やアクセサリー、ぬいぐるみや作品、写真などです。 これらを捨てるのに気が引けるのであれば、供養してスッキリさせましょう。
お寺や神社に依頼する場合は1万円から2万円が相場です。 合同供養の場合は、比較的安価で供養ができます。
メリハリを付けて作業するのも大事です。 例えば「この日は何も考えずにとにかく仕分けを進めよう」と決めて仕分けを一気に進めたり「午前中は粗大ゴミを一気に片づけよう」と決めたりと、しっかりと作業にメリハリを付けて進めましょう。
遺品整理は自分で行うと、故人様との思い出に耽る時間も出てくるため、ただただ漠然と進めようとすると、非常に時間がかかってしまいます。毎日作業を進めることをしっかりと意識して、遺品整理をしていきましょう。
自分で遺品整理を行うときに注意すべきことを3つご紹介します。
遺品整理で荷物を運んだり、複数人で作業をしたりすると、作業音が近所迷惑になってしまうことがあります。
深夜や早朝の作業は避けて、あらかじめ近所の方に遺品整理のことを伝えておくとトラブルに発展しづらいです。
遺品整理をしていく中で、精神的負荷がかかってしまうことがあります。物の量が多くなるほど、身体的にも精神的にも負担になります。また、自分のものではないため、自治体のごみに出すのは気が引けると感じる方は少なくありません。
無理に進めようとしても、かえって遺品整理に手がつかなくなってしまう恐れもあります。ご自分で遺品整理をする場合は、着実に進めていきましょう。
税金や不動産に関する書類を処分してしまうと、相続トラブルが発生する可能性があります。複数人で作業を分担するときは、遺品整理のルールや担当する場所を決めておくとトラブルを未然に防げます。
最後に不要な遺品の処分方法を紹介していきます。 いくら自分で遺品整理を進めようにも、処分には自分だけではどうしようもならないことがあります。ぜひとも参考にしていただき、自分に合った方法で処分をしましょう。
最も一般的な方法が、自治体の指示に従って処分することです。 ゴミ袋に入れたゴミはそのまま指定の日に出して、粗大ごみなどは自治体指定の方法で処分していきましょう。
ただし冷蔵庫などの家電リサイクル法に引っかかるものは、粗大ゴミでは処分できないので注意しましょう。
フリマサイトなどを活用するのも1つの手です。 売れる不用品であれば、フリマサイトを使ってお金に替えることができます。ただし売れるまで時間がかかる場合がありますし、売れない場合はいつまでたっても保管しておく必要があります。
冷蔵庫などの大型家電も出品できますが、送料が非常に高くなりますので、赤字にならないように値段設定をする必要があります。手間と時間がかかりますが、余裕のある方は一度活用してみてはいかがでしょうか。
不用品回収業者でまとめて処分してもらうのも1つの手です。 不用品回収業者ならゴミ袋もそのまま処分してもらえますし、自分一人では運べないような大型の家具なども回収してもらえます。
簡単に言えば「家にあるもの全て回収してください」と言えば、その通りにしてもらえます。 そのため、必要なものだけ別にして、後はすべて不用品回収業者に任せてしまえば、遺品の処分はあっという間に終わります。 業者によっては即日対応しているものもあるので、すぐに遺品の処分を終わらせたい方は、活用してみてくださいね。
遺品整理を自分で行うのは非常に大変ですし、時間がかかりますが、その分故人様を偲ぶことができるため、それはそれで良い時間となります。とはいえ、しっかりと計画を立てていないといつまでたっても終わらないので、その点は気を付けてくださいね。
遺品の処分は、自分一人ではどうしようもないことがあるため、無理をせずに業者の力を借りるのも1つの手ですよ。