「お菓子以外に良いお供え物って何かある?」「どういった物が喜ばれるの?」このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
お供え物と言えばお菓子を選ぶのが一般的ですが、しっかりとルール・マナーさえ守っていれば、お菓子以外にもお供え物はたくさんあります。本記事ではそんなお菓子以外のお供え物について詳しく解説していきます。
ぜひとも参考にして、他とは違ったお供え物で喜んでもらいましょう。
一般社団法人遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(認定者番号 24283)
不用品回収業者にて1年半の現場業務を経験。その後、作業オペレーティングや不用品のリサイクル・貿易業務に従事し、年間500件以上の不用品回収案件に携わる。
2019年4月より、本メディアをはじめとする不用品回収・遺品整理記事の監修を務める。
お菓子以外で喜ばれるお供え物は主に以下の通りです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
お菓子以外の選択肢として真っ先に考えられるのがお線香です。お供え物を渡すということはお線香は必ず使い道がありますし、お菓子などの食品のように期限に縛られることもありません。
最近ではお供え物用の特別なお線香も数多く売られているので、一度故人・故人の家族が好みそうなお線香がないか確認してみましょう。
ろうそくもお線香と同じようにお供え物によく選ばれます。やはり必ず使い道があり、期限に縛られないのは喜ばれる大きなポイントです。
ろうそくというと、白くシンプルなものを思い浮かべる方も多いかと思いますが、近年ではさまざまなデザインが施されたろうそくが数多くあります。
お線香と同様に、故人・故人の家族が好みそうなろうそくを探してみてください。ただしLEDろうそくを使っているのであれば、通常のろうそくは使い道が無くなってしまうので注意しましょう。
また、LEDろうそくをお供え物として渡すのはおすすめはしません。LEDろうそくは好みが分かれますし、そもそも形として残るお供え物は良いとされていません。
通常のろうそくを使っている場合のみ、ろうそくをお供え物として渡しましょう。
果物も基本的なお供え物の1つです。果物を渡す場合は、常温で保存できるものを選んでください。
故人が好んでいた果物であれば、基本的には何を選んでも良いですが、できるだけいちごのように腐りやすい果物や、バナナのような香りの強い果物は避けましょう。
飲み物を渡すのも1つの手です。故人がコーヒーやジュースを好んで飲んでいたのであれば、該当する飲み物を渡しましょう。
さまざまな種類が入った詰め合わせだと、故人の家族にも喜んでもらいやすいです。
飲み物に関連していますが、お酒を選んでも問題ありません。故人が好きだったお酒を渡しましょう。ただし宗派によってはお酒はNGとなる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
不安な場合はお酒は避けた方が良いかもしれません。
花もこれまでのお供え物と同様に、故人が好んでいた花を選ぶと良いです。四十九日までは白色の花であるキク・ユリ・胡蝶蘭を選ぶのが一般的です。
それ以降は優しい色合いの花であれば、特に問題はありません。ただし匂いが強すぎる花や、棘のある花は選ばないようにしてください。
現金をお供え物にしても問題ありません。ただし現金で渡す場合は、一般的に品物でのお供え物と比べると相場としては高くなりやすいです。
特に決まっているわけではありませんが、一般的には品物の場合は5,000円で、現金での場合は10,000円ほどになります。ただし故人との関係が近ければ、さらに高くなりますし、渡す人の年齢に伴って高くもなります。
血縁関係があり、ご自身が40代以上なら30,000円ほどは用意しておきたいところです。
そのほかにも、お茶や、そうめん、梅干しなど、ネットショップで売られているさまざまなギフトがお供え物に使えます。お供え物は非常に多様化しており、ネットショップなどでもお供え物を検索すると、非常に幅広い商品が出てきます。
お供え物として販売されている以上、渡してNGになることはないので、故人や故人の家族が気に入りそうな商品があれば選んでみてはいかがでしょうか。
お菓子以外のお供え物が適している理由を3つご紹介します。お供え物はお菓子以外のもの以外でも良いのか気になる方は参考にしてみてくださいね。
お供え物にお菓子が用いられるようになった理由は1つではありませんが、かつて砂糖が貴重であったことが要因と考えられています。
甘いものが手に入りづらかった時代に砂糖菓子がお供えされ、羊羹や饅頭などのお菓子をお供えする文化が広がったようです。そのため、故人や先祖を敬う気持ちからお菓子をお供えする習慣が続いています。
現代ではお菓子が手に入りやすくなり、糖尿病や肥満などの疾患をお持ちの方も増えています。お菓子や甘いものには多くの糖分が含まれているため、摂りすぎないように気をつけている方もいます。
ですから、お菓子に代わるお供え物としてお線香やろうそくを持ち寄るのも選択肢の1つです。
お菓子と一概にいってもさまざまな種類があり、場に適さないものもあります。
亡くなった方にお供えする物なので上記のようなものはふさわしくありません。どのようなお菓子にするか決めかねる場合はお花などにしましょう。お供え物として控えるべきものに関して詳しくは後述していますので、併せてご確認ください。
お菓子以外のお供え物をする際は、NGな物ももちろん存在します。
れっきとしたルールがあるわけではないので、相手に喜ばれればそれで良いとも考えられますが、やはり宗教的な意味合いから避けられるものはどうしても出てきますので、覚えておきましょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
お供え物には五辛といった、適さない5つの農作物があります。
仏教では五辛は避けられていますので、お供え物として渡してはいけません。五辛ではなくても、香りが強い・辛い食品は避けましょう。
香りが強すぎる花もNGです。前述したように、仏教では五辛のような香りが強すぎるものや辛いものは避けられています。
そのため、花に関しても香りが強いものはお供え物には適しません。
香りがそこまで強くなくても、バラのように棘のある花もNGです。棘=傷=血といったように、マイナスのイメージがあるため、棘がある花は選ばないようにしましょう。
ただしバラは人気の花の1つでもあるので、故人が特別バラが好きだったのであれば選択肢に入ってもおかしくはありません。宗教の考え方にもよるので、確認してから選びましょう。
花の渡し方にもさまざまありますが、お供え物では、鉢植えでは渡さないようにしましょう。
お供え物での鉢植えは縁起が悪く、適していません。花を渡す場合は鉢植えでなく切り花にしてください。
肉や魚などの命が宿っていたものもNGです。仏教では「無益な殺生」は良しとされていないため、お供え物には適していません。
たとえ故人が肉や魚を好きだったとしても、命が宿っていたものをお供え物で渡すことはないので、特別な理由がない限りはやめておきましょう。
またお菓子をお供え物にする場合に、卵やバターが入っていてもNGとなる可能性があるので、注意してください。
腐りやすいものや日持ちしないものはお供え物には適していません。前述した肉や魚はもちろんのこと、イチゴやバナナなどの日持ちしない果物も避けましょう。
もしお菓子をお供え物にする場合も、日持ちがしないお菓子は適さないので注意してください。
最後にお供え物をする際のマナー・注意点についても解説していきます。
思わぬ勘違いから相手を不快にさせてしまいかねないので、必ず確認しておいてください。
お供え物の相場は基本的には5,000円前後です。1,000円以下の品物を渡すと、場合によっては悪い印象を持たれてしまう可能性があるので注意してください。
とはいえ、ネットで購入できるお供え物は3,000円前後の商品も多くあるので、3,000円程度なら特に問題はありません。お金に余裕があるなら5,000円、故人との関係が遠かった場合は3,000円程度と考えましょう。
お供え物の包装紙は弔辞用でお願いしましょう。お供え物を購入した際は「弔辞用の包装紙を付けてください」とお願いすれば付けてくれます。
ネットで購入した場合も、選択できる場合が多いので忘れないようにしましょう。
これまで何度か解説しましたが、お供え物は宗派・宗教によって良いとされているもの、悪いとされているものが違います。一般的には良いお供え物でも、宗派によってはNGになる場合があるので注意してください。
宗派・宗教が分からない場合は、親戚などに聞いて確認しておきましょう。
お供え物はお菓子以外にもさまざまな物を渡せますが、NGとなってしまう物も少なくありません。
宗派・宗教を確認して、適したお供え物を選んでくださいね。